顧客インタビュー(BtoB)の方法を解説|目的・種類・事前準備の進め方

BtoBの顧客インタビューは、顧客の行動や購買に至った経緯を直接聞き取り、カスタマージャーニーの把握やコンテンツ企画に生かす調査手法です。聞き出すべきは顧客の「意見」より、実際に何をしたかという「行動」です。
購買に関わる人が多いBtoBでは、カスタマージャーニーが複雑になりがちで、顧客の解像度を上げる手段として特に役立ちます。対象者は4〜5人いれば十分です。
この記事では、目的とメリット、個別・グループインタビューとアンケート調査の違い、目的設定や対象者選定などの事前準備を紹介します。
なぜ顧客インタビューが重要なのか
顧客インタビューは、顧客目線で物事を見れるという点で極めて重要です。顧客インタビューを通して、カスタマージャーニーにおけるタッチポイント及びそのきっかけなどの今後のマーケティング施策を企画する上での重要な情報を収集する手助けになるからです。
特にBtoBにおいては、カスタマージャーニーは複雑になる傾向があります。というのも以下の2点の特徴があるからです。
- 登場人物の多い意思決定プロセス
- 長期的な関係構築によるLTV最大化
詳細はこちらの記事で解説していますのでぜひご覧ください。
BtoBマーケティングのカスタマージャーニーの特徴とは?作り方とBtoCの違いについて
BtoBマーケでのペルソナ作成手順やポイント【無料テンプレ有】
顧客インタビューの目的とメリット
①目的

- カスタマージャーニーを把握すること
- タッチポイントを洗い出し、各々においてどのようなコンテンツが必要かを洗い出す
- 販売中のサービスや商品に対しての率直なフィードバックが欲しい
- 自社のサービスや商品がどのように使用されているかを実際に見たい
②メリット

- コンテンツ企画・制作:ターゲットの視点に立ってコンテンツや施策を設計できる
- 解像度の高い施策:ターゲットの状況や動機に応じてパーソナライズされたコミュニケーションができる
- KPIの特定と改善:ターゲットの離脱ポイントや改善ポイントを発見できる
- LTVの最大化:ターゲットのライフサイクル全体にわたって関係性を築ける
では、実際に顧客へのインタビューをする上での具体的な方法について解説していきます。
導入事例インタビューで「本音」を引き出す3つの現場テクニック
顧客インタビューの種類と特徴
顧客インタビューにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる特徴があります。予算や目的、ニーズに合わせて適切なタイプを選択しましょう。
BtoBのニーズ調査では、顧客企業が抱える課題や、製品・サービスを選んだ決め手を明らかにするために、インタビューとアンケートを使い分けます。少人数から行動や背景を深く聞き出したいときは個別インタビュー、多くの回答から傾向をつかみたいときはアンケート調査が向いています。
①個別インタビュー
- 個別の顧客とのインタビューを通じて具体的な行動情報を得る方法
- 個別なので周囲の影響に左右されない、顧客の率直な意見を引き出せる
個別インタビューでは、バイアスのかからない状態で具体的な行動情報を取得できるのが非常に強いです。1番重要なのはユーザーの「意見」ではなく、「行動」なのです。ユーザーに具体的な「HOW」の部分の質問をしたり、オープンクエスチョンや抽象的な質問をすると事実から離れた回答が返ってきてしまうので注意です。
ロイヤル顧客にインタビューを実施し、カスタマージャーニーを作成する上での最適解はこの個別インタビューになるでしょう。次の章では、事前準備などの進め方を解説します。質問の作り方は、上で紹介した導入事例インタビューの記事も参考にしてください。
②グループインタビュー
- 複数の顧客を一度に対象にするため、1度で多く情報を収集でき、時間短縮できる。
- 幅広い年代向けのサービスの場合、年代別にグルーピングして結果を比較できる
- 参加者同士の会話を通じて新たなアイデアを発展させられる
グループインタビューでは、議論が活発化し具体的なエピソードなどが語られることが期待できます。何気ない会話にも、調査者が思いもよらなかった消費者の本音が発見できるでしょう。
イメージとしては、ある参加者の発言によって「そういえば、私もこんなことを感じたことがありました」といった対象者の潜在意識が呼び起こされることがあります。
以上の特性からグループインタビューは、実在するサービスや販売されている商品について実際に使用してもらったり食べてもらったりする際などに適しています。
- 「どのように使用されているのか?」
- 「自分たちが想定できていない使用方法や用途はないか?」
上記のような疑問に1度に情報収集ができるのも特徴ですね。
③アンケート調査
- 複数の顧客からの情報を集める手段
- 大規模なデータセットを分析し、傾向を把握する
アンケート調査の特徴は、セルフでの調査かマクロミルなどの専門機関に依頼するかによっても変わってきます。本記事では専門機関に依頼するパターンで記載します。
- 調査票の設計や集計・分析を、調査会社の専門スタッフに支援してもらえる
- 自社では集められないレアなユーザーにインタビューができる
- 集めた顧客データを広告配信のターゲティングに利用できる
このように、目的に応じて最適な顧客インタビューを選ぶことや、組み合わせたりすることで自社に必要な情報のピースを集めていきましょう。
顧客インタビューの進め方
顧客インタビューを効果的に行うためには、事前準備や質問項目、実施方法などに注意する必要があります。以下では顧客インタビューの進め方について、詳しく解説します。
顧客インタビューのための事前準備
顧客インタビューを行う前に、以下のような事前準備を行うことがおすすめです。エクセルやスプレッドシートに書き起こして言語化しておきましょう。
- インタビューの目的とゴール
- インタビュー対象者の選定と詳細確認(企業名、職位、名前、年齢等)
- インタビュー日時や方法の確認
- (必要であれば)インタビュー依頼メールや電話スクリプトを作成する
- (必要であれば)インタビュー参加者に事前資料やアンケートを送付する
インタビューの目的とゴールを明確にする
先に記載したようにインタビューの目的は様々です。
よくあるのは、自社の商品やサービスに関連する顧客のニーズや課題、購買意欲などを知ることですが、具体的に何を知りたいかは、商品やサービスの種類や段階によって異なります。
- 新規商品やサービスの開発段階→市場ニーズや競合分析などを知りたいかもしれません。
- 既存商品やサービスの改善段階→お客様満足度やフィードバックなどを知りたいかもしれません。
- 商品やサービスの販売段階→購入意思決定プロセスや購入障壁などを知りたいかもしれません。
インタビューの目的に応じて、インタビューのゴールも明確にしましょう。例えば、
- 新規商品やサービスの開発段階→市場ニーズに合致する商品やサービスのコンセプトや仕様を策定することがゴールかもしれません。
- 既存商品やサービスの改善段階→お客様満足度を向上させるための改善点や施策を立案することがゴールかもしれません。
- 商品やサービスの販売段階→購入意思決定プロセスに沿ったコミュニケーションや提案を行うことがゴールかもしれません。
インタビューの目的とゴールを明確にすることで、インタビューで「何を聞かなければならないか、何のデータを集めなければならないか」を洗い出すことに繋がります。
インタビュー対象者を選定する
インタビュー対象者の選定方法には、目的を明確にした上でいかにその目的を達成するためのユーザーをどこから探してくるかがカギになります。
- SNSなどで、商品やサービスに関する質問やコメントをしている人を探す
- 自社のメルマガやブログなどで、商品やサービスに関するコンテンツをダウンロードしたり、クリックしたりした人を探す
- 自社のセミナーやイベントなどに参加したり、申し込んだりした人を探す
- 自社の営業担当者やカスタマーサポート担当者が、商品やサービスに関心を示した人を紹介してもらう
インタビュー対象者の選定時には、以下のようなポイントに注意しましょう。
- インタビュー対象者は、自社の商品やサービスのターゲット層に合致していること
- インタビュー対象者は、自社の商品やサービスに関する知識や経験がある程度あること
- インタビュー対象者は、インタビューに協力的であること
インタビュー対象者の数は、インタビューの目的やゴールに応じて決めますが、4,5人いれば十分です。インタビュー対象者が1,2人だと、社内を説得するのに困ったり、万が一偏った意見しか得られない可能性があります。
インタビュー日時や方法を決める
インタビュー日時や方法は、インタビュー対象者の都合や希望に合わせて決めます。インタビュー日時は、事前に複数候補を提示しておくと良いでしょう。インタビュー方法は、以下のようなものがあります。
- 電話インタビュー
- オンラインインタビュー(Zoomなど)
- 対面インタビュー(オフィスやカフェなど)
電話インタビューやオンラインインタビューは、時間や場所に制約が少なく、手軽に行える反面、非言語的な情報(表情やジェスチャーなど)が得られにくいので、直接的な反応を確かめたい時は対面の方が良いですね。
まとめ
この記事では、顧客インタビューの方法について解説しました。
顧客インタビューは、事前の準備が100%といっても過言ではありません。何を目的として何のデータを集めたいのかが明確になっていない場合失敗する確率が高く、当たり前のデータしか出てきません。
ただ、しっかり狙って実施すれば通常では得られない気付きやマーケティング施策に応用できる示唆が得られることも多くあります。是非、参考にしていただければ幸いです。
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代表取締役
一橋大学商学部を卒業後、ENEOS株式会社に新卒入社。その後、日本最大級の屋内型エンターテインメント施設 「アートアクアリウム美術館」の立ち上げに新規事業責任者として参画。2021年よりベンチャー支援のSOICO株式会社にて マーケティング・インサイドセールス責任者を務め、PHC株式会社ではAPACの海外BtoBマーケティング立ち上げに従事。 2023年5月、株式会社LEAD FACTORY.を創業。BtoBマーケティング・インサイドセールスの実務知見をもとに、 スタートアップから大企業まで幅広い規模の事業成長を支援している。
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