BtoBマーケでのペルソナ作成手順やポイント【無料テンプレ有】

BtoBマーケティングにおいて、施策を考える際にはペルソナを作成することが重要です。ペルソナを作成することで、より効果的な施策の選定や訴求が可能になります。

本記事ではBtoBマーケティングをおこなううえで欠かせないペルソナのメリットや作成手順を解説します。

また、BtoBマーケティングで効果的なペルソナ作成ができるテンプレートも無料配布します。

BtoB事業におけるペルソナとは

BtoB事業において、ペルソナは顧客がどのような属性でどのような行動を取るのかを予測するために設定をします。一般的には属性の情報中心にペルソナを作成することが多いですがリードファクトリーでは、以下の項目を中心に調査し、ペルソナを作成しています。

BtoBペルソナ

今後のマーケティング施策を具体的にイメージするためにも、

・具体的な課題は何か

・どのようなキーワードで検索をするか

・タッチポイントはどこか

・競合の広告をベースにどのようなメッセージが刺さっているのか調査

を把握しておくとベターです。広告出稿の際のクリエイティブやコンテンツマーケティングを進める上でも役立ちます。

ペルソナとターゲットの違い

ペルソナはターゲットとしばしば混同されますが、ターゲットとは似て非なる言葉です。ターゲットよりも詳細にユーザーの情報を深掘りして設定したものがペルソナです。

例えば、ターゲットは「30代・女性・OL」のようにユーザー層を指します。一方で、ペルソナは「鈴木花子・38歳・女性・東京都品川区にあるメーカーの事務職」のように、ターゲットよりも詳細な個人の情報を設定します。

このように、ペルソナはユーザーの情報をターゲットよりも詳細に設定し、可能な限り具体的に表すようにしましょう。

カスタマージャーニーとは|ペルソナの商品購入までの道のり

ペルソナを設定する際、よく一緒に使われるマーケティングのフレームワークにカスタマージャーニーがあります。

カスタマージャーニーとは、設定したペルソナが商品を認知してから購入するまでの道のりを旅に見立てたものです。

顧客の行動をカスタマージャーニーとして可視化することで、自社と顧客のタッチポイントや離脱してしまうポイントが予測しやすくなり、行うべき施策が明確になります。

BtoBマーケティングのカスタマージャーニーの特徴とは?作り方とBtoCの違いについて

ペルソナを作成するメリット

ペルソナを作成するメリットは下記の3つです。

  • 顧客ニーズや行動を予測しやすくなる
  • 顧客の解像度が高まり、具体的な訴求ができる
  • 会社や部署内での共通認識になる

ペルソナを作成することで、顧客ニーズや行動を予測しやすくなり、行うべき施策が明確になるのはもちろん、顧客の価値観や心理状況に合わせた具体的な訴求が可能になります。

また、会社や部署内での共通認識としても使えるため、コミュニケーションコストが下がるほか、部署間での齟齬がなくなりスムーズに連携が取れるようになります。

顧客ニーズや行動を予測しやすくなる

ペルソナを作成する過程で顧客の属性や行動パターン、趣味嗜好を深掘りするため、顧客ニーズや行動を予測しやすくなります。

ペルソナは具体的な個人のニーズを満たす商品・サービスの開発や、施策を実施していくために作成します。1人の個人が持っているニーズは他の多くの人も抱えているため、多くの人の顧客ニーズに沿った商品やサービスの開発、施策の実施が可能です。

例えば、顧客管理ツールを扱っている会社が施策を考えるために、下記のペルソナを設定したとします。

■ペルソナ

  • 東京都品川区にあるハウスメーカー勤務の42歳、男性
  • 妻と娘の3人暮らしで、神奈川県の戸塚区に住宅を購入した
  • 従業員100名程度で、営業部の部長を務めている
  • 電車通勤をしており、通勤中はニュースサイトを読んでいる

このようなペルソナを作成した場合、顧客ニーズは下記のように予測ができます。

■顧客ニーズ

  • 売れる営業マンと売れない営業マンの差が顕著であることに課題を感じている
  • 知識やノウハウを教えてあげたいけど1対1でロープレや研修をする時間がない
  • 対策をしたいけど、業績も下がってきているため、予算をあまりかけられない

上記のペルソナから顧客ニーズが予測できたら、「顧客管理ソフトを用いることで、営業の属人化を防ぎ、部署全体の業績アップに繋がる」という切り口の広告を、ニュースサイトへ出稿することが有効であるとわかります。

このように、具体的なペルソナを作成することで、商品やサービスに何を求めているのか、どこで認知し、どんな心理状況で購入するのかが予測できます。

顧客像の解像度が高まり、具体的な訴求ができる

ペルソナを作成して顧客ニーズや行動を予測できるようになると、顧客像の解像度が高まり、具体的な訴求ができるようになります。

先程のハウスメーカー勤務の42歳、男性に対してニュースサイトへの広告出稿で訴求する場合を例に見てみましょう。

ペルソナを作成しておらず、ターゲットしか設定していない場合は下記のようになります。

■ターゲット

40代、男性、会社員、既婚

■キャッチコピー

顧客管理を手軽にするなら◯◯(ツール名)

一方で、ペルソナを詳細に設定していると下記のような訴求が可能です。

■キャッチコピー

月額5万円から!ベテランのノウハウをデータ化。

育成への活用で売上に貢献!顧客管理ソフト◯◯(ツール名)

このように、顧客の心理状況や行動パターンなどを詳細に把握することで曖昧な訴求にならず、心に刺さる具体的な訴求ができるようになります。

会社や部署内での共通認識になる

ペルソナは社内での共通認識にもなります。商品の開発段階やマーケティングの施策を考える際に、共通認識となるペルソナを作成しておくと担当者・部署間でのズレや齟齬がなくなり、コミュニケーションコストを低くできます。

例えば、広告のクリエイティブ制作の際に「ハウスメーカー勤務の男性」のような曖昧なターゲットしか定めていない場合、広告運用者とデザイナーは「30歳の中間管理職の営業マン」を想像し、コピーライターは「42歳の営業部長」を想像してしまう、といった具合にでそれぞれ違う顧客像を想像してしまう可能性があります。「30歳の中間管理職の営業マン」と「42歳の営業部長」では、刺さるデザインやコピーは異なるため、認識が違ってしまうと効果的なクリエイティブをつくることができません。

具体的なペルソナを作成し、共通認識を持ったうえでマーケティング施策に取り組むようにしましょう。

【BtoB企業向け】ペルソナの効果的な作成手順

効果的なペルソナを作成するためには、下記の手順で作成します。

  1. 過去のデータから顧客の情報収集をする
  2. 収集したデータを属性ごとにグルーピングする
  3. 代表的なペルソナを作る

間違った手順で作成したペルソナはかえってマーケティングの妨げになる場合があります。適切な手順でペルソナを作成し、マーケティングに活用してください。

過去のデータから顧客の情報収集をする

ペルソナを作成する際は、過去のデータから顧客の情報を収集します。実際に運用した広告のリーチやクリック率などの実データや、SNSでの投稿、アンケートなどを活用します。

活用できるデータが少ない場合は、メルマガ等でアンケートを収集したり、街頭アンケートを実施して、データを収集します。

また、エンタープライズの顧客であれば以下も確認しましょう。

  • 決裁者
  • 決裁金額上限
  • 決裁金額別の稟議・承認フローの流れ
  • クラウドツールの場合ならクラウド利用申請に必要な内容

自社の商品やサービスの特性に合った方法で客観的なデータや一次情報を取得することが重要です。

【BtoB】初めての見込み顧客インタビューを成功させよう!メリットや活用術を解説!

収集したデータを属性ごとにグルーピングする

次に、収集したデータを属性ごとにグルーピングします。

顧客属性とは、顧客の年齢や性別、地域、職業などで分類したものを指します。 顧客属性は大きく2つに分けられ、性別や出身地などの静的なものと、職業や役職、趣味嗜好などの動的なものの2つに分けられます。

WebサイトやSNSなどの場合、閲覧ページやクリック、ダウンロードした資料なども属性として扱います。

また、顧客属性をグルーピングする際は下記の4つの項目を意識すると良いでしょう。

  • 地理的属性:勤務地・居住地・行動範囲など
  • 人口統計的属性:年齢・性別・年収・役職など
  • 行動的属性:購入や契約した日時・購入までの経路・HPへの訪問頻度など
  • 心理的属性:趣味嗜好・価値観・ライフスタイルなど

この4つのなかでも取得や分析が難しい「行動的属性」はMAツールの導入、「心理的属性」はSNSでの口コミやアンケートなどで取得ができます。

代表的なペルソナを作る

ペルソナを作る際は、いきなり完成形を目指さずに、まずは大枠をつくり、後から肉付けしていく方法がおすすめです。

また、名前や性別、年齢、役職や従業員規模などは箇条書きで、会社や部署の課題などは文章でまとめることで、見やすく、具体性のあるペルソナシートが作成できます。

可能であれば、写真やイラストも追加すると会社や部署内でズレなく認識しやすくなります。

BtoBマーケティングに活用できる法人ペルソナ設定のポイント

BtoBマーケティングに活用できるペルソナを作成する際は、下記のポイントを意識しましょう。

  • 客観的なデータを基に作成する
  • 現実的な顧客像にする
  • ペルソナは複数人設定する
  • 定期的な見直しをする

自社がおこなうべき施策や適切な訴求方法が明確になります。自社に当てはめて考えてみてください。

客観的なデータを基に作成する

ペルソナを作成するときは定量的に測れる客観的なデータを基に作成をしましょう。

ペルソナを作成する際に、経験からの思い込みや理想が入ってしまうケースが多々あります。しかし、経験からの思い込みや理想は人によって異なるため、個人間での齟齬が生まれてしまいます。

経験からの思い込みや理想ではなく、数値化できる自社の顧客データや公開されている統計情報を基にして作成をしましょう。

また、客観的なデータとして一次情報も有効です。一次情報とはSNSやアンケートから集めた生のユーザーの声を指します。

定量的な数値や一次情報などの客観的なデータを基にペルソナを作成することで、個人間での齟齬がなく、精度の高いペルソナが作成できます。

現実的な顧客像にする

ペルソナを作成する際は現実的な顧客像を設定するようにしましょう。ペルソナは自社にとって都合の良い人物ではありません。非現実的なペルソナはマーケティングの妨げになってしまいます。

ペルソナを作成する際には、客観的なデータに基づいて設定し、ペルソナが現実的かを判断する際には、「データに基づいて説明ができるか」を1つの基準とするようにしましょう。

ペルソナは複数人設定する

商品やサービスによっては複数人のペルソナを設定する必要がある場合もあります。複数人のペルソナを作成した際は、それぞれのペルソナごとに施策やクリエイティブを出し分けるようにしましょう。

しかし、むやみにペルソナを作りすぎないように注意が必要です。むやみに作りすぎると属性が似通ってしまい、ペルソナ同士の違いがわからなくなってしまいます。

ペルソナを機能させるためにも、ペルソナを複数人作る場合には明確な違いを設けることが重要です。

定期的な見直しをする

ペルソナは一度作成して終わりではなく、定期的に見直しをして変更する必要があります。実際にペルソナを作成して施策をはじめても、思ったような成果が出ない場合があります。

その際には、最初に作ったペルソナに固執しすぎずに、変更を検討しましょう。

また、広告などを運用した結果、得られたデータがペルソナと乖離していた場合、施策をペルソナに合わせるのではなく、得られたデータを基にペルソナを作り変える方法が有効です。

【無料ダウンロード】ペルソナ作成のテンプレート

BtoBマーケティングで活用できるペルソナ作成のテンプレートを無料配布いたします。

本記事で解説した内容を基に、効果的なペルソナを作成し、ぜひ自社のBtoBマーケティングに活かしてみてください。

テンプレートはこちら

まとめ

BtoBマーケティングにおいて、ペルソナは顧客ニーズや行動を予測しやすくなったり、顧客の解像度が高まり、具体的な訴求ができたりするなどのメリットがあります。

客観的なデータを収集し、現実的なペルソナを作成したうえで、定期的に見直しや改善をすることで、効果的なマーケティングが可能になります。

無料で配布しているペルソナ作成のテンプレートを使用し、効果的なマーケティングを実現してください。

リードファクトリーではペルソナやカスタマージャーニーの作成などについての相談も承っています。ぜひお気軽にご相談ください。