CXOレターとは?エンタープライズ営業でCEOレターでアポを獲得する方法

CXOレターとは?エンタープライズ営業でCEOレターでアポを獲得する方法

エンタープライズ企業を新規開拓する方法の一つに、経営層へ直接手紙を送る「CXOレター」があります。

ただし、単に役員へ手紙を送るだけでは十分ではありません。重要なのは「誰から誰に送るか」と、手紙が届いた後の架電まで含めて営業プロセスを設計することです。

特にCEO宛ての場合は、秘書とのコミュニケーションも商談化を左右します。本記事では、CEO to CEOレターを中心に、手紙の作り方から秘書への架電、フォロー方法まで実務ベースで解説します。

CXOレターとは?エンタープライズ営業で使われる理由

CXOレターとは、CEOや取締役、執行役員、本部長など、企業の経営層・責任者に対して直接送付する営業レターのことです。

特にエンタープライズ企業を新規開拓する場合、通常の電話やメールだけでは、狙っている役職者までたどり着けないことがあります。

代表電話へ連絡しても「お問い合わせフォームからお願いします」と案内されたり、担当部署へメールを送っても返信がなかったりと、担当者との接点を作る前の段階で止まってしまうケースも珍しくありません。

こうした企業に対して、通常とは異なる入口から接点を作れるのがCXOレターです。ただ、CXOレターを単に「経営層へ手紙を送る施策」と捉えるのは少しもったいないと思っています。

エンタープライズ開拓で本当に考えたいのは、手紙の文章だけではなく、誰から誰へ送り、その手紙を起点に相手企業の中でどのように案件を動かしてもらうかという点です。

その意味では、CXOレターは単発のDM施策というよりも、特定のターゲット企業を攻略するABMやアウトバウンド営業の一部として捉えた方が、実際の使い方に近いでしょう。

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CXOレターでは「誰から誰に送るか」が重要

CXOレターを実施する際によくあるのが、担当領域を合わせて送る方法です。

例えば営業支援サービスを提供しているのであれば、自社の営業本部長から先方の営業管掌役員へ送る。人事サービスであれば、自社の人事責任者から先方の人事担当役員へ送る、といった形です。

もちろん、この方法でも十分に成立します。ただ、ターゲット企業の規模や自社の体制にもよりますが、可能であれば検討したいのが、自社CEOからターゲット企業CEOへ送る「CEO to CEOレター」です。

CEO to CEOにする理由は、単純に肩書きが上だからではありません。大きな違いは、レターが読まれた後の社内での案件の動き方にあります。

例えば、自社の営業本部長から先方の営業管掌役員へレターを送り、相手が内容に興味を持ってくれれば、そのまま商談につながる可能性があります。

一方、相手が忙しかったり、そのタイミングでは優先度が低かったりすると、内容を確認したところで止まってしまうこともあります。

これに対してCEO宛てに送った場合は、少し違う流れが生まれることがあります。

先方のCEOがレターを確認し、「こういう会社から連絡が来ているから、一度話を聞いてみて」と管掌役員や事業責任者へ話を降ろすケースです。この場合、担当役員から見た案件の位置づけが、通常の営業アプローチとは変わります。

知らない会社から突然営業を受けた案件ではなく、「社長から確認するように言われた案件」になるためです。

当然ながら、CEOから降りてきたからといって必ず商談になるわけではありません。ただ、担当役員としても一度内容を確認しようという動きになりやすく、その後の商談でも向き合い方が変わることがあります。

そのためCEO to CEOレターでは、必ずしもCEO本人とのアポイント獲得だけをゴールにする必要はありません。CEOを入口として管掌役員や担当部署へ案件を降ろしてもらい、そこから商談につながれば、十分に目的を果たしています。

CEOレターでは「秘書」を含めて設計する

CEO宛てにレターを送る場合、一般的な役員レター以上に意識したいのが秘書の存在です。

ある程度規模の大きな企業では、社長宛てに届いた郵送物をすべて社長本人が直接確認しているとは限りません。秘書や秘書室がまず内容を確認し、必要なものだけを本人へ渡している会社が多いです。

そのためCEOレターでは、「社長本人に何を書けば興味を持ってもらえるか」だけを考えるのではなく、秘書が見たときに、社長へ渡す理由がある手紙になっているかまで考えておきたいところです。

ここでいう「秘書攻略」は、秘書を無理に突破するという意味ではありません。むしろ、秘書は経営者のもとに大量に届く情報を整理する役割を持っているため、「なぜこの会社から社長宛てに手紙が届いているのか」を理解してもらえる状態を作る方が自然です。

この考え方は、レターそのものの作り方だけではなく、送付後の架電にもつながってきます。

CXOレターは「営業DM」に見えないようにする

CXOレターを作成するときは、本文だけでなく、封筒や宛名を含めた全体の見え方も重要です。

どれだけ本文を丁寧に書いていても、大量送付された販促DMのように見えてしまえば、本人まで届く前に処理される可能性があります。

宛名については「株式会社○○ 御中」のような会社宛てではなく、「株式会社○○ 代表取締役社長 ○○ ○○様」のように、役職名と氏名まで正確に記載します。

役職や氏名は変更されていることもあるため、送付前に企業サイトなどで確認しておいた方がよいでしょう。

また、場合によっては宛名に手書き感を持たせるなど、一般的なDMとは違う見え方にする方法もあります。

ただし、奇抜な封筒にしたり、過度に豪華な仕様にしたりすることが目的ではありません。大切なのは、受け取った側に「大量に送られている広告物ではなく、自分宛てに送られた手紙だ」と認識してもらうことです。

CXOレターでは、内容を読んでもらう以前に、まず手に取ってもらえる状態を作る必要があります。

レター本文では「なぜ御社に連絡したのか」を伝える

CXOレターの本文では、自社サービスの機能や特徴をすべて説明する必要はありません。

むしろ最初に伝えたいのは、「なぜこの会社に連絡したのか」「なぜ代表者である自分から手紙を送っているのか」という理由です。

例えば、「弊社では営業DXサービスを提供しています」という説明だけでは、一般的な営業DMとそれほど変わりません。

一方で、「御社が現在、販売パートナーを活用した事業拡大に取り組まれていることを拝見し、弊社がこれまで支援してきたパートナー営業の取り組みがお役に立てるのではないかと思い、直接お手紙を差し上げました」と書けば、少なくとも今回連絡した理由が分かります。

この文章を作るためには、企業サイトだけでなく、中期経営計画やニュースリリース、経営方針などを必ず確認してください。

ただし、相手企業のWebサイトに掲載されている文章を、そのまま長く引用する必要はありません。

「海外展開の強化」「営業生産性の向上」「新規事業の拡大」「販売パートナー戦略の強化」といった、自社サービスと関係する事業テーマを一つ拾い、そこから「だから今回連絡した」という流れにつなげれば十分です。

パーソナライズの目的は、「御社についてこれだけ調べました」とアピールすることではありません。相手が読んだときに、なぜ自社に連絡してきたのか、なぜ一度話を聞く価値があるのかを理解できる状態にすることが重要です。

関連記事:インサイドセールスのアポ獲得率を上げる9つの施策|トーク例と案件化を増やす方法

CXOレターは送付後の架電までセットで設計する

CXOレターを実施するときにありがちなのが、手紙を送った後、そのまま返事を待ってしまうことです。

もちろんレターだけで問い合わせが入ることもありますが、エンタープライズ開拓では、送付後の架電まで含めて一つの施策として設計した方が動かしやすくなります。

実務上は、ターゲット企業を選定し、CEOや役員情報を確認したうえでレターを作成・送付します。その後、手紙が届いた頃に代表電話へ架電し、秘書や担当部署へ確認を行いながら接点を作っていく、という流れになります。

ここで意外と重要なのが、レターを作る担当者と架電するインサイドセールス担当者の情報共有です。

誰の名義で、誰宛てに、どのような内容のレターを送ったのかを架電担当者が理解していなければ、結局「○○というサービスをご紹介したくてお電話しました」という通常のテレアポになってしまいます。

CXOレターを使ってアポイントを獲得するのであれば、レターと架電を別々の施策として扱うのではなく、最初から一つの営業プロセスとして設計することをおすすめします。

架電では「営業電話」ではなく「代表から送った手紙の確認」として話す

レター送付後の電話では、通常のテレアポとは少し入り方を変えます。

例えば、電話がつながってすぐに「弊社では○○というサービスを提供しておりまして」と説明し始めると、その時点で一般的な営業電話として受け取られやすくなります。

それよりも、

「弊社代表の○○から、○○社長宛てに先日お手紙をお送りしておりまして、その件で確認のお電話をしました」

という形で、まずレターの文脈から入ります。

架電担当者自身が新しく営業を仕掛けているのではなく、自社の代表から相手企業の代表へ送った手紙について、代理で確認しているという立ち位置を持つことがポイントです。

もちろん、レターを送っているからといって強引に取り次いでもらうわけではありません。ただ、実際にCEO名義で手紙を送っているのであれば、その事実をきちんと伝えることで、通常の営業電話とは少し違う会話を作ることができます。

特にCEO宛ての場合は秘書が対応することも多いため、「営業サービスの説明をする電話」ではなく、「代表者間の手紙について確認している電話」として会話を組み立てることが大切です。

「お問い合わせフォームから」と言われた後に情報を残す

エンタープライズ企業へ架電していると、「お問い合わせフォームからご連絡ください」と案内されることはよくあります。

その場合、無理に電話で話を進める必要はありません。ただし、「分かりました。ありがとうございました」と、そのまま電話を切ってしまうのは少しもったいないところです。

例えば、

「承知しました。お問い合わせフォームからご連絡させていただきます。ちなみに、お電話口の部署名とお名前だけお伺いしてもよろしいでしょうか」

と確認してみます。

さらに、会話の流れによっては、「こちらのお手紙については、どちらの部署へご確認いただく形になりますでしょうか」と聞くことで、関連部署まで分かる場合があります。

仮に今回の架電でアポイントが取れなくても、「秘書室の○○様が対応した」「営業企画部へ共有される予定」「担当役員は○○様」といった情報が一つでも得られれば、次回の営業活動は変わります。

エンタープライズ営業では、一度の電話ですべてを決めようとするよりも、企業内の部署名や役職名、氏名といった固有名詞を少しずつ増やしていくという考え方が重要です。

担当者の名前が一人分かるだけでも、次回は「先日○○様にお話しした件で」と連絡できるため、完全なコールドコールではなくなります。

架電履歴は「担当者の感想」ではなく「相手の発言」を残す

CXOレターから複数回フォローしていく場合、架電履歴の残し方も商談化に影響します。

例えばCRMに「興味がなさそう」「感じが悪かった」「担当者には回してくれなさそう」と記録しても、次に電話する担当者には、実際にどのような会話があったのかが伝わりません。

こうした記録は、あくまで電話した人の解釈だからです。

そのため、架電履歴にはできるだけ、相手が実際に話した内容をそのまま残すようにします。

例えば、「『社長宛てのお手紙については秘書室で一度確認します』とのこと」「『営業企画部へ共有しておきます』とのこと」のように、相手の発言をそのまま残します。

このようにしておけば、次に電話する担当者も、「先日、営業企画部へ共有いただけると伺っておりまして、その後の状況について確認させていただきました」と、前回の会話を自然に引き継ぐことができます。

一度の電話でアポイントを取ろうとするのではなく、接点を重ねるたびに情報を増やし、毎回ゼロから営業する状態を避けていくことが、エンタープライズ開拓では重要です。

CXOレターは「手紙施策」ではなく、ターゲット企業を攻略する営業プロセス

CXOレターという名称から、「どのような文章を書けば経営者から返信をもらえるのか」という手紙の内容に注目が集まりがちです。

しかし、実際のエンタープライズ営業では、レターだけで施策が完結することはあまりありません。

CEO to CEOでレターを送り、秘書を通じて本人へ届けてもらう。その後インサイドセールスがフォローし、管掌役員や担当部署を特定しながら接点を増やしていく。さらに、そこで得られた部署名や担当者名、会話内容をCRMに残し、次回のアプローチにつなげていきます。

こうして考えると、CXOレターは「手紙を送る施策」というより、特定の企業を攻略するための営業プロセスの一部と考えた方が分かりやすいでしょう。

ABMの考え方にも近く、「100通送って何件問い合わせが来たか」だけではなく、「攻略したい企業の中でどこまで接点を作ることができたか」という視点で進捗を見ていきます。

エンタープライズ企業では、最初の接触から商談まで一直線に進むとは限りません。CEOへの手紙をきっかけに秘書と接点ができ、担当役員が分かり、担当部署へつながり、そこから商談になることもあります。

そのため、一度の架電でアポイントを獲得できなかったからといって、すぐに失敗と判断する必要はありません。

誰につながったのか、どこまで話が共有されたのか、次は誰へ連絡すればよいのか。こうした情報を一社ずつ蓄積していくことが、最終的な商談化につながります。

まとめ|CXOレターは手紙から架電まで一つの流れで考える

CXOレターは、通常の電話やメールだけでは接点を作りづらいエンタープライズ企業を開拓する際の選択肢の一つです。

特にCEO to CEOレターの場合、相手CEOから管掌役員へ案件を降ろしてもらうことで、通常のアウトバウンド営業とは異なる形で企業内に入れる可能性があります。

一方で、CXOレターは手紙を送れば終わりという施策ではありません。CEO宛てであれば秘書の存在まで考えてレターを作り、送付後にはインサイドセールスから架電する。

その際もアポイントだけを追うのではなく、部署名や担当者名、相手の発言を残しながら、次の接点につなげていくことが重要です。

つまりCXOレターで考えたいのは、「反応の良い手紙をどう書くか」だけではありません。誰から誰へ送り、その手紙を起点に企業内でどのように案件を動かし、商談までのルートを作るのか。

ここまでを一つの営業プロセスとして設計することで、CXOレターをエンタープライズ開拓に活用しやすくなります。

リードファクトリーでは、BtoBマーケティング支援・インサイドセールス支援を通じて、広告やウェビナーなどのインバウンド施策だけでなく、ターゲット企業へのアウトバウンド施策の設計・実行も支援しています。

CXOレターを含めたエンタープライズ企業の新規開拓にお困りの場合は、お気軽にご相談ください。

著者プロフィール(EEAT用パーツ)

WRITTEN BY

株式会社リードファクトリー 代表取締役 遠藤由規

代表取締役

一橋大学商学部を卒業後、ENEOS株式会社に新卒入社。その後、日本最大級の屋内型エンターテインメント施設 「アートアクアリウム美術館」の立ち上げに新規事業責任者として参画。2021年よりベンチャー支援のSOICO株式会社にて マーケティング・インサイドセールス責任者を務め、PHC株式会社ではAPACの海外BtoBマーケティング立ち上げに従事。 2023年5月、株式会社LEAD FACTORY.を創業。BtoBマーケティング・インサイドセールスの実務知見をもとに、 スタートアップから大企業まで幅広い規模の事業成長を支援している。

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