BtoBマーケティングの施策一覧|ポイントや成功事例も紹介

BtoBマーケティングにはさまざまな施策があり、自社や顧客の段階に合わせていくつかの施策を横断的におこなう必要があります。そのため、手当たり次第に施策をおこなっても、思ったような効果が出る可能性は低いといえます。

またBtooBマーケティングを成功させるためには事前の戦略や社内体制の構築も非常に重要なポイントです。

本記事ではBtoBマーケティングの施策や成功させるためのポイントを解説します。

BtoBマーケティングを成功させるためのポイント

BtoBマーケティングを成功させるためのポイントは下記です。

  • 戦略を立てる際にBtoBマーケティングの全体像を把握する
  • 定量的なKPIを設定する
  • 中長期的に取り組める体制をつくる

BtoBマーケティングに取り組む際は、全体像を把握したうえで戦略を立て、各プロセスや施策のKPIを設定します。また、施策をおこなって終わりではなく、中長期的な分析や改善も必要になるため、中長期的に取り組める社内体制の構築も非常に重要です。

そして、BtoBマーケティングではカスタマージャーニーの設計も非常に重要です。カスタマージャーニーを設計することで、必要なコンテンツの洗い出しや優先すべきチャネルを見定めることができます。詳細は以下の記事で解説していますので、よければご覧ください。

BtoBマーケティングのカスタマージャーニーの特徴とは?作り方とBtoCの違いについて

戦略を立てる際にBtoBマーケティングの全体像を把握する

BtoBマーケティングの全体像と施策の整理例

BtoBマーケティングに取り組む前に、全体像を把握しましょう。全体像を把握せずに取り組むと、手当たり次第に施策をおこなうことになり、効果が出ない可能性があります。

まずは、自社のBtoBマーケティングの全体像を把握するために、現状の洗い出しと各プロセスでの目標を決めます。

現状の洗い出しでは、現在おこなっている施策をフェーズごとにプロットし、施策を整理することが目的です。どの段階でどのような施策をおこなっているのかを一覧で見れるようにしましょう。

施策を整理した後、プロセスや取り組む施策ごとに目標数値を決めることで、より戦略的にBtoBマーケティングに取り組めます。

定量的なKPIを設定する

BtoBマーケティングのKPI

BtoBマーケティングに取り組む際は、定量的なKPIをKPIを設定しましょう。KPIはKGIの数値から逆算して算出する方法が一般的です。

KPIを設定する際は必ず定量的な数値で設定をし、測定ができるようにしましょう。KPIは流入数・リード数・商談数・案件化数など、それぞれの段階で設定することで、効果を発揮します。

また、かけられる予算も加味したうえで現実的なKPIを設定しましょう。受注1件につき、獲得できる粗利益からリード獲得単価や商談単価を検討します。

例えば、月間の受注目標(KGI)が10件の場合、下記のような計算でKPIの設定が可能です。

  1. 受注数:4件/受注率:20%=案件化数:20件(KPI)
  2. 案件化数:20件/受注率:20%=リード獲得数:100件(KPI)
  3. リード獲得数:100件/CVR:5%=流入数:2,000件(KPI)

上記はあくまで一例になります。上記以外の数字でも指標になりえるものはあるため、自社の契約までのフローを分解してKPIを定めましょう。

サブスクリプションのビジネスモデルであれば、LTVの大きさで実施できるBtoBマーケティング施策が決まるため、LTV・解約率も非常に重要になります。

中長期的に取り組める体制をつくる

BtoBマーケティングは中長期的に取り組む必要があるため、中長期的にマーケティングに取り組める体制の構築が重要です。

Web広告やコンテンツマーケティングは特に、半年から年単位で取り組む必要があります。Web広告は運用の際に、CPM(インプレッション単価)やCTR(クリック率)、CVR(コンバージョン率)を分析し、1ヶ月から3ヶ月単位での改善が重要です。

同じくコンテンツマーケティングも継続的にコンテンツを制作し、分析・改善をする必要があります。

BtoBマーケティングに取り組む際には、中長期的に取り組める社内体制を構築して、分析や改善をすることで、はじめて成果が期待できます。

BtoBマーケティングにおけるリード獲得の代表的な施策・手法

BtoBマーケティング施策一覧

BtoBマーケティングの中でも多くの企業が課題に感じているリード獲得について、代表的な施策や手法を紹介します。

リード獲得手法は大きく分けて、オンラインとオフラインに分けられます。近年ではオンラインのリード獲得手法が重要視されていますが、業界やターゲットによって有効な施策が異なるため、自社に適したものに取り組みましょう。

BtoBマーケティングにおけるオンラインのリード獲得手法

オンラインでのリード獲得手法には下記があります。

  • SEO(検索エンジン最適化)
  • メディア出稿×ホワイトペーパー
  • 比較・レビューサイトの活用
  • リスティング広告
  • SNS広告
  • LPO(ランディングページ最適化)
  • ウェビナーの開催

オンラインのリード獲得施策はコストを抑えて取り組めるものが多い一方で、専門知識が必要となります。外部の協力会社と一緒に取り組む、マーケ人材を育成・採用するなどして取り組みましょう。

SEO(検索エンジン最適化)

SEOは検索エンジン最適化と呼ばれ、GoogleやYahoo!などの検索エンジン上で上位表示を狙う施策です。

検索エンジンで上位表示をされることで、自社のWebサイト上に多くのユーザーの流入が見込めます。自社の商品のカテゴリーの検索ボリュームが一定以上ある場合や、上位の記事に後発で勝てる見込みがある場合は取り組むべきでしょう。

SEO対策をすることで、資産性のあるコンテンツが自社サイトに蓄積されるため、広告費用をかけずに集客が可能です。しかし、SEOは即効性がない、コンテンツの制作にリソースを必要とするなどのデメリットもあります。

メディア出稿×ホワイトペーパー

ビジネス系のメディアに広告を出稿し、ホワイトペーパーのダウンロード時に顧客情報を入手する方法です。

広告を出稿するメディアによってユーザー層が異なるため、メディアの選定が非常に重要です。また、広告が出稿できるメディアの多くではセグメントをかけられます。事前にメディアのユーザー層やセグメントの項目をリサーチしておきましょう。

ホワイトペーパーさえ用意できれば、即効性のある施策です。

比較・レビューサイトの活用

比較・レビューサイトを上手に活用することで、質の高いリードを獲得することが可能です。

実際に契約・購入した顧客がサイトに良い口コミやレビューを投稿することで、それを見た他のユーザーからの問い合わせなどにつながります。

企業が自ら発信する情報より、実際に契約・購入したユーザーからの口コミ・レビューの方が信ぴょう性があるため、口コミ・レビューを促すための活動も重要です。

比較・レビューサイトは上手に活用すれば、質の高い見込み客を獲得できますが、悪い口コミやレビューも書き込まれてしまう可能性があるので、注意が必要です。

リスティング広告(検索連動型広告)

リスティング広告は検索連動型広告とも呼ばれ、GoogleやYahoo!での検索結果に広告を表示させる手法です。

広告を出稿するキーワードを選べるため、何らかの課題を抱えていたり、購買意欲の高いユーザーにアプローチができます。

出稿するキーワードによって費用はさまざまですが、比較的低予算で開始でき、即効性があります。BtoBの商材であれば、一般的にCPAは1万円〜3万円ほどに収まることが大半です。

検索ボリュームがあるキーワードとの親和性があり、1件あたりの粗利額が大きい製品・サービスを扱っている企業にはおすすめです。

SNS広告

SNS広告は、X(Twitter)やInstagram、YouTube、TikTokなどの各種SNSに広告を出稿する手法です。

SNS広告はアカウント作成時に年齢や性別などの属性情報を入力しており、その情報でセグメントをかけて広告を表示させられるため、ターゲティングの精度が非常に高い点が特徴です。

出稿するプラットフォームによって、テキストや動画、画像などの訴求方法が異なるうえ、ユーザー層やセグメント項目も異なるため、自社の目的に合ったプラットフォームを選びましょう。

LPO(ランディングページ最適化)

LPOとはランディングページ最適化と呼ばれ、自社で保有しているLPを最適化し、CVRを向上させる手法です。LPOでは、LPの制作からツールを用いた効果検証などをおこないます。

SEOなどの施策と異なり、LPOは即効性があり自社でコントロール可能な領域が広いという特徴があります。

広告のCTRは高いがCVRが低い企業や、商談時に見込み顧のニーズと自社製品がマッチしない企業は取り組む価値がある施策です。

ウェビナーの開催

ウェビナーとは、Web上でおこなうセミナーを指す言葉です。以前はオフラインでのセミナーが開催されていましたが、現在ではオンライン上でおこなえるウェビナーも数多く解砕されています。

ウェビナーは、オフラインでのセミナーに比べて、開催場所のレンタル費用や交通費が抑えられるほか、参加者も参加しやすいなどのメリットがあります。

しかし、通信環境や機材の準備が必要であったり、参加者の表情や気持ちが読み取りにくいなどのデメリットもあります。

BtoBマーケティングにおけるオフラインのリード獲得手法

BtoBマーケティングにおけるオフラインのリード獲得手法には下記があります。

  • テレアポ
  • 紹介営業
  • マスメディア(OOH)への広告出稿
  • 展示会への出展
  • DM(FAX・郵送)
  • 書籍の出版

テレアポ

テレアポは昔からある営業手法の1つで、ポータルサイトや採用ページからリストを作成します。テレアポは一般的にアポ率が1%程度といわれています。複数人が同時におこなえるようにトークスクリプトやマニュアルを整備して臨むようにしましょう。

最も重要なのは、価値を提供できるターゲットセグメントを早急に特定し、リストを精査&更新し続けることです。ターゲットが少ない場合はすぐにリストが枯渇する場合も多く、テレアポには向いていない場合が多いです。

そして、リスト作成やマニュアルの整備に労力がかかるため、リストを作成する業者からテレアポリストを購入したり、テレアポを代行してくれる会社に依頼をするケースも多数あります。

紹介営業

紹介営業は、すでに契約・購入してくれた顧客から他のお客様を紹介してもらう必要があります。紹介で獲得した見込み客は他の集客方法に比べて成約率が高く、営業にかかるリソースも抑えられます。

しかし、紹介してもらうためには、紹介者からの信頼を得る必要があるため、良い製品やサービスを提供することはもちろん、アフターフォローも徹底をする必要があります。また、紹介をお願いする相手やタイミングは見極めなければなりません。

紹介していただいたお客様に対しても、迷惑がかからないように配慮して営業活動をするようにしましょう。

マスメディア(OOH)への広告出稿

マスメディアや交通広告、街頭ビジョンなどのOOHへ広告出稿をすることで、幅広い層への認知拡大につながります。

特にリスティング広告などの顕在層向け施策のCPAが高止まりしている場合において、ブランドの指名検索数を伸ばすための最も効率の良い媒体です。

マスメディアやOOHへの広告出稿はユーザーの印象に残りやすく、繰り返しユーザーの目に触れるため、第一想起層になりやすいなどのメリットがあります。

しかし、多くの人に見られるメディアやOOHほど、出稿費用が高くなる傾向にあります。目的や費用感に合わせたマスメディアOOHに出稿したい場合には代理店を通して出稿することをおすすめします。

展示会への出展

展示会への出展は多くの企業と名刺交換ができる貴重な場です。

展示会と一言でいってもさまざまな種類・規模の展示会があります。展示会でより質の高いリードを獲得するためには、規模が大きく、自社製品・サービスと親和性の高い展示会に出展するようにしましょう。

業界特化型のバーティカルSaaSや製造業などは1年で最も重要なリード獲得機会であることも少なくありません。というのも決裁者クラスのリードが一同集まる唯一のタイミングであるからです。

そのため、事前にトークスクリプトやノベルティを用意しておくなどの工夫をしておくことで、より集客効果が高まり、リードの獲得につながります。

DM(FAX・郵送)

ダイレクトメールはメールアドレスを取得できていなくても住所やFAX番号がわかれば送付できます。特に、決裁者などのキーマンへのDM送付をすることで、Webでは獲得ができない層へのアプローチが可能です。

紙のDMは、メルマガに比べて印刷や発送が必要なため、コストが高くなりますが、一般的にメルマガよりも反響率が高い傾向にあります。

紙のDMを送る際は封筒に入れたり、圧着ハガキにするなど、開封してもらう工夫をすることで、より効果を高められます。

書籍の出版

書籍の出版と新規リード獲得は関係がないように思えます。しかし、書籍を出版することで、認知度の向上はもちろん、狙った顧客層に伝えたいことを伝えられたり、信頼が獲得できたりするためリードの獲得にも有効です。

また、SEOの観点からしても、指名検索での流入が増えることや各メディアに掲載されることで被リンクを獲得できる点で有用性が非常に高いです。無形商材やコンサルティングのビジネスをしている企業には非常におすすめと言えます。

書籍出版は近年の広告疲れをしているユーザーに有効で、広告色を抑えて自社、もしくは著者の伝えたいことを伝えられます。

また、書籍出版の副産物として新たな企業との接点やファンの方との出会いが期待できます。

まとめ

BtoBマーケティングにはオンライン・オフラインともにさまざまな施策があります。自社の目的や顧客の段階に合わせた施策の選定が必要です。

また、BtoBマーケティングを成功させるためには、全体像を把握して戦略を立て、戦略に基づいた定量的なKPIを設定するとともに、継続的に取り組める社内体制の構築も重要です。

リードファクトリーでは、それぞれの企業様に合わせた施策の策定や運用など、BtoBマーケティングに取り組むうえでの支援を幅広くおこなっています。ぜひお気軽にご相談ください。

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一橋大学商学部卒。ENEOS株式会社に新卒で入社。日本最大級の屋内型テーマパークの立ち上げ、ベンチャー企業でマーケティング責任者としてBtoBマーケティング、インサイドセールス等の立ち上げ。その後、プライム市場上場のグローバル医療メーカーにて、海外BtoBマーケティングに従事。その後、BtoBマーケティング・営業DX支援の株式会社LEAD FACTORY.を創業。