近年中小企業・製造業にもDX化の波が押し寄せてきており、Webマーケティングの導入もよく耳にするようになってきました。というのも現代の消費者はインターネットで商品やサービスを検索し、比較し、購入することが当たり前になっており、高価な買い物や会社で使うものであれば尚更買う前に比較検討を慎重に行います。
BtoBの商材、特に製造業の商材であればQCD、つまりQuality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)の条件で少なくとも比較検討をすると思います。これらの情報が分からないとそもそも判断できない、またお問い合わせや見積もりをしようとも思わないという可能性が出てきます。
そこでWebマーケティングを活用して、しっかりと自社の情報をアピールする必要があります。しかし、これから中小製造業がWebマーケティングに取り組むに当たっては以下のような課題にぶつかります。
- これからWebマーケティングをはじめようと思っているが何からすればいいか分からない
- Webマーケティングをはじめる上で、どんなリスクが想定されるのか
今回は、上記の疑問を解決するために、中小企業・製造業がWebマーケティングを始める上で知っておきたいことや始め方をまとめましたので良ければ最後までご覧ください。
製造業のWebマーケティングの戦略策定の考え方などについてはこちらで詳細に解説してますので良ければご覧ください。
製造業のWebマーケティングの特徴とは?戦略の立て方や実践方法について解説!
中小企業・製造業ならではのWebマーケティングとは?
中小製造業の製品やサービスは、大手企業や他業種とは異なる特徴があります。それは、以下のような点です。
- 製品やサービスがニッチ
- (1に関係しますが)そもそものターゲット企業が他業種と比べ比較的少ない
- 一度取引開始すると長期的な関係になりやすい(LTVが高い)
これらのビジネスの特徴を踏まえた上で、中小製造業のWebマーケティングでは、以下のような点に注力する必要があります。
- 自社の製品・サービスがなぜ選ばれるかを言語化する
- ロイヤル顧客のカスタマージャーニーを可視化する
- カスタマージャーニーをもとにチャンスを探る
例えば、1~3を実施した上で以下のようなことがわかったと仮定します。
①顧客は「〇〇加工 業者」と調べて当社のことを認知
②ホームページを見た際に、顧客の望む特殊加工の技術や実績が豊富だと理解
③よくある質問(Q&A)で顧客と全く同じニーズの回答があった
④お問い合わせへの導線がスムーズだった
顧客の解像度がここまで高ければ実施するべき施策は以下になります。
- リスティング広告で「〇〇加工 業者」などの準顕在〜顕在KWを対象に出稿
- 自社HPのサービス内容や加工実績などを充実させる
- よくある質問をサービスページなどに用意し、深いニーズや課題を解決できるアピール
- シンプルな導線で、お問い合わせへのハードルを極力下げる
以上のように、ターゲットとする顧客がどのように当社を選んでくれるかの解像度が上がれば、中小製造業であっても自然と実行すべきWebマーケティングも見えてきます。
製造業のリスティング広告についてはこちらで詳細に解説してますので良ければご覧ください。
製造業のリスティング広告を成功させるには?メリットや成功事例あり
とはいえ、上記を実行するにはいくつかのハードルがあることも事実です。
中小企業・製造業のWebマーケティングを実施するためのハードル3つ
①Webマーケティングへのリソースが限定的
中小製造業におけるWebマーケティングの課題の1つ目はリソースが限られていること。
リソースが限られているということは、予算や人員、時間などが十分に確保できないことです。これにより、Webマーケティングに必要なコンテンツの制作、数値の分析や改善などが難しくなります。
前述したマーケティング戦略や戦術を思い描けたとしても、実行できなければ絵に描いた餅です。
②Webマーケティングのノウハウがない
製品や技術に関するプロフェッショナルではあるものの、Webマーケティングのプロフェッショナルでは勿論ありません。Webマーケティングのノウハウがないということは、前述したマーケティング戦略が戦術がそもそも描けなく、当てずっぽうでマーケティングをすることになり、失敗の確率が高くなるのに加え、正しい振り返りができないことを意味します。
中小製造業は、予算や人員が限られているため、オフラインでの広告活動は難しいかもしれません。しかし、オンラインでは、低コストで広範囲にアクセスすることができます。WebサイトやSNSでは、自社の強みや特徴を伝えるだけでなく、顧客とのコミュニケーションや情報発信も行うことができます。オンライン媒体を効果的に活用することで、ブランド認知度や集客力を高めることができます。
③顧客への解像度の低さ
3つ目はターゲットとなる顧客のニーズや痛みを正確に理解することです。製造業は、大手企業よりも顧客との距離が近いというメリットがあります。
大事なのは技術のプロフェショナル性だけでなく、顧客目線で「なぜうちの製品が選ばれるのか?」「どのような企業のどのようなサービスと比較検討されているのか?」「比較された結果、なぜ当社が選ばれたのか?」などを言語化し解像度を高めることです。
顧客との距離感が近いため、顧客の声やフィードバックを気軽に聞くことができます。また、アンケートなどを行うことで、顧客のニーズや痛みを定量的・定性的にさらに深く掘り下げることができます。顧客のニーズや痛みに応えるような商品やサービスを提供することで、あらゆるマーケティング施策の精度が高まります。
また見込み顧客の解像度を高める方法の1つとして最も一般的で重要な「見込み顧客インタビュー」のメリットと方法、活用術についてはこちらで詳細に解説してますので良ければご覧ください。
【BtoB】初めての見込み顧客インタビューを成功させよう!メリットや活用術を解説!
中小企業・製造業のWebマーケティングで気をつけるべきポイント
中小製造業のWebマーケティングにおいて、前述のハードルを乗り越えることが大事なのと同時に以下についても気をつける必要があります。細かいポイントにはなりますが、意識して貰えると良いと思います。
今までの考え方・習慣を捨てること
これまで伝統的に足で稼ぐ営業を代表とする営業活動に頼ってきました。しかし当然ではありますが、Webマーケティングはオフラインとは異なるルールや法則があります。そのため、今までの考え方や習慣を捨てること、もしくは別物として捉えることが必要です。例えば、以下のようなことです。
- Webマーケティングは一朝一夕で成果が出るものではない
- WebマーケティングはPDCAサイクルを回すことが大切である
- Webマーケティングは顧客の声やデータに基づいて行うことが大切である
まずは簡単なところから始めること
前述の通り中小製造業は、Webマーケティングにおいてリソースやノウハウが不足していることが多いです。そのため、無理に高度なことをしようとせず、まずは簡単なところから始めることが大切です。例えば、以下のようなことです。
- 自社のホームページやブログを作成し、定期的に更新する
- 支援事例のインタビューを1件実施してみる
- これまでのお問い合わせ内容を見直してみる
これらのことは、比較的低コストで実施できる上に、効果測定や改善も容易です。また、これらのことを行うことで、Webマーケティングに関する知識や経験も積むことができます。
マーケと営業がワンチームになること
これまで足で稼いできた営業からすると「Webマーケティング」と聞くと拒否反応を起こすことも少なくありません。
そのためどうしても最初は営業との連携が不十分なことが多いです。しかし、Webマーケティングは営業の補助的な役割ではなく、営業と協力して成果を出さないと効果が最大化しません。そのため、マーケと営業がワンチームになることが大切です。
- マーケは営業にWebマーケティングの目的や計画を共有する
- 営業はマーケに顧客のニーズやフィードバックを共有する
- マーケと営業は共通のKPI(キーパフォーマンスインディケーター)を設定し、達成度を確認する
まとめ
本記事では、中小企業・製造業がWebマーケティングを導入すべき理由について解説しました。
Webマーケティングと聞くと、大手企業のように広告費や人員を投入しなければならないと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。中小製造業でも、効果的なWebマーケティングを行うことができます。
リードファクトリーではデジタルマーケティングについての無料相談会を実施しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
一橋大学商学部卒。ENEOS株式会社に新卒で入社。日本最大級の屋内型テーマパークの立ち上げ、ベンチャー企業でマーケティング責任者としてBtoBマーケティング、インサイドセールス等の立ち上げ。その後、プライム市場上場のグローバル医療メーカーにて、海外BtoBマーケティングに従事。その後、BtoBマーケティング・営業DX支援の株式会社LEAD FACTORY.を創業。