「ウェビナーを開催してもなかなか思うようにリードが集まらない…」「コストや手間ばかりかかって、 ROI が見合わない…」そんな悩みを抱えていませんか?
単独開催だと集客力や運営リソースに限界があるため、期待したほどの成果を上げられずに苦労する企業が少なくありません。そのまま改善策を打たずにいると、競合に先を越され、オンラインマーケティングの波に取り残されてしまうかもしれません。
そこで今注目されているのが「共催ウェビナー」。複数の企業や団体が力を合わせることで、集客効果や運営効率、さらにはブランド相乗効果が期待できる、とても有力な手段です。
実際に共催ウェビナーを取り入れた企業では、参加者数が単独開催時の2倍以上になり、費用対効果が飛躍的に向上した事例も多数報告されています。
たとえばITソリューション企業A社とコンサル企業B社が合同でウェビナーを行ったところ、単独開催時にはなかった新規客層を開拓でき、ウェビナー参加後の商談化率が1.5倍に上昇したケースがあります。
本記事では、共催ウェビナーの基本からメリット・デメリット、企画・準備のステップ、成功・失敗事例、費用・契約面の注意点、そして開催後のフォローアップまでを網羅的に解説しています。「自社に合った共催ウェビナーで成果を出したい」と考える方は、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
はじめに
共催ウェビナーは、通常のウェビナーと比べてより多くのリソースや知見を結集できるのが大きな特徴です。集客チャネルを2社以上で共有できたり、専門分野の異なる企業同士が補完関係を築くことで、より多彩なコンテンツを提供できます。しかしその一方で、共催先との役割分担や契約上の取り決め、ブランドイメージのすり合わせといった調整も必要となります。本セクションでは、なぜ「はじめに」であえてこの点を強調するのか、共催ウェビナーにおける基本的な考え方を整理していきましょう。
共催ウェビナーは、単独ウェビナーにはない相乗効果が期待できますが、その分、複数のステークホルダーの意向を調整するプロセスが必要です。もし準備段階でゴールを明確化していなかったり、パートナー企業の強みを理解せずに進めてしまったりすると、当日運営や終了後のリード獲得など、さまざまな場面でトラブルが生じやすくなります。さらに、共催によって広がる可能性は大きい反面、自社と似て非なるコンテンツを提供するパートナーを選んでしまうと、参加者にとって統一感のないウェビナーとなり、結果的に満足度が低くなるリスクも。したがって「なぜ共催なのか」「何のために共催なのか」をまず明確にすることが、成功への第一歩となるのです。
また、オンラインイベント全般が急速に普及するなかで、単独ウェビナーの集客競争は激化の一途をたどっています。どの企業も「ウェビナー集客」で苦労している状況で、1社だけで突き抜けるには限界がある。それゆえ、共催によってお互いの強みを掛け合わせ、より効果的な訴求を行う戦略が注目されているわけです。マーケティングの世界では、より幅広いリーチを得るための方法として、SNSや広告だけではなく、こうした「アライアンス施策」がますます重要になってきています。
たとえば、ソフトウェア開発会社とマーケティング支援会社が共催ウェビナーを行ったケースがあります。ソフトウェア開発会社は「技術的なソリューションの優位性やデモ」を中心に話ができ、一方のマーケティング支援会社は「市場動向や活用事例、導入後の運用・顧客育成ノウハウ」を補足。単独ではどちらかが不足しがちな視点を補完し合うことで、参加者に対してより説得力のあるセミナーを提供できたのです。結果的に、ターゲットとなる顧客層の拡大や新たな見込み客の獲得につながり、両社のサービス利用見込みが共に向上しました。
さらに、共催ウェビナーならではのメリットとして、費用の分担が挙げられます。ウェビナーの告知広告費や配信ツールの費用を共同で負担するため、単独開催よりもコスト削減が見込めます。また、運営スタッフや当日サポート体制など人的リソースもシェアできるので、全体的な負担が軽減される点も魅力です。単独ウェビナーでは負担が大きい映像配信や資料デザインなどを得意とするパートナーがいれば、クオリティを向上させつつ労力も抑えられるというメリットがあります。
この「はじめに」では、共催ウェビナーが注目を集める背景と、なぜそれが有効な手段となり得るのかについて整理しました。要は、単独開催で限界を感じている場合や、より大きな成果を狙いたい企業にとって“共催”は非常に強力な選択肢だということです。ただし、その分「相手選び」や「役割分担」「契約内容の明確化」など、しっかりと戦略を練ることが欠かせません。続くセクションでは、共催ウェビナーに関する具体的な知識やステップ、メリット・デメリットから始まり、成功事例、失敗事例、費用や契約面の留意点まで、しっかりとカバーしていきます。ここで得た情報をもとに、自社に最適な共催パートナーを選び、より効果的なオンラインイベントを実現する足掛かりとしていただければ幸いです。
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共催ウェビナーとは?
共催ウェビナーとは、2社以上の企業や団体が協力してオンラインセミナーを開催する形態を指します。単独でウェビナーを行う場合と比べて、複数の集客チャネルやリソースを活用でき、より幅広い層にアプローチできるのが大きな特徴です。単なる「共同出展」のように名義を並べるだけでなく、企画段階から相互に協力し合いながらコンテンツを作り上げるのが一般的です。
なぜこのような形態が注目を集めているのでしょうか?まず背景として挙げられるのが、オンラインでのマーケティング手法が急速に普及し、企業間の競争が激化していることです。ウェビナーはリード獲得や顧客教育の手段として非常に有効ですが、同時に数多くのウェビナーが乱立する環境でもあります。そのため、単独開催だけでは思うように参加者を集められないという悩みを抱える企業が増えているのです。
また、オンラインセミナーを成功させるには、専門的な知識やノウハウ、運営スキルが必要です。1社だけでそれらすべてをまかなうのは大変ですが、共催の場合、相手企業が持つ強みやノウハウを活用でき、結果的に高品質なコンテンツと安定した運営体制を実現しやすくなります。さらに、費用面でも、告知・広告費やツール使用料を分担できるため、単独開催時よりもコスト負担を抑えることが可能になります。
もうひとつ大きな理由として、ブランド力や信頼度の向上が挙げられます。共催する相手企業が業界内で実績があり、信頼されている存在であれば、その企業とのコラボによって自社ブランドのイメージ向上や認知拡大にもつながります。逆に、自社がそれほど有名でない場合でも、著名企業や団体と共催することでマーケットからの注目度を一気に高められるチャンスになるのです。
たとえば、BtoB向けソフトウェアを提供する企業が、同じくBtoB向けにコンサルサービスを提供する別企業と共催ウェビナーを行うケースを考えてみましょう。ソフトウェア企業は「導入ツールの技術的な説明」や「成果を高める製品連携の紹介」に強みを持っています。一方、コンサル企業は「導入後の運用や組織体制の整備」「業務プロセスの改善例」といった視点を提供可能です。こうした異なる強みが合わさることで、参加者の学習効果や満足度が大幅に向上し、結果的に双方のサービスに興味を抱く見込み客を増やすことができます。
さらに、単独ではリーチできない層に対してアプローチできるのも大きな利点です。ソフトウェア企業の顧客基盤に対しては「そろそろコンサル導入が必要だ」と意識づけることができ、コンサル企業の顧客基盤に対しては「導入ツールでさらなる効率化が可能だ」と提案できます。まさに相乗効果によって、新規顧客を効率的に開拓し、かつ既存顧客の満足度や購買単価を引き上げるチャンスを得られるわけです。
共催ウェビナーとは「複数の企業や団体がそれぞれの強みとリソースを持ち寄り、オンラインセミナーを共同で行う施策」です。単独開催では得られない集客力やブランド認知の拡大、コスト面・運営面の効率化など、多くのメリットを享受できる反面、相手企業との事前調整や信頼関係の構築が必須です。単に名義を並べるだけでは真の相乗効果は得られないため、「共催する意味」や「目指すゴール」をしっかりと明確化して企画を立てることが重要となります。本記事では、この後のセクションでさらに詳しくメリットや企画方法、事前に注意すべきポイントを解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
メリット・デメリット
共催ウェビナーを導入する最大の理由として挙げられるのは、「単独開催では得られない効果」を狙える点です。ただし、メリットばかりが強調されがちですが、実際にはデメリットも存在します。本セクションでは、共催ウェビナーのメリットとデメリットを明確に対比し、導入の判断に役立つ情報を提供します。
多くの企業やマーケターが共催ウェビナーを検討する際、まずは「どんな良いことがあるのか?」を知りたいと思うはずです。同時に、「どんなリスクやデメリットがあるのか?」も事前に理解しておかないと、後々の運営で予期せぬトラブルが発生し、せっかくの協業が台無しになってしまう恐れがあります。成功のポイントは、メリットを最大化し、デメリットを可能な限り低減する戦略を練ることにあります。

メリット1:集客力の向上
共催先企業が持つ顧客リストやSNSフォロワーなど、それぞれのチャネルを活用できるため、単独開催よりも多くの見込み客を呼び込める可能性が高まります。また、異なる顧客層にリーチできるため、新規顧客開拓にもつながります。
メリット2:コスト・リソースの分散
ウェビナーツールの利用料、広告費、資料作成などのコストを複数社で分担することで、1社あたりの負担を軽減できます。運営スタッフの配置や当日のサポートに関しても同様で、人的リソースの不足を補完し合うことが可能です。
メリット3:ブランド力・信頼度の向上
相手企業が市場や業界で高い評価を得ている場合、共催することで自社ブランドの信頼度を高めることができます。お互いの専門分野が異なる場合は、セミナー内容をより充実させられるため、参加者満足度やリピート参加率も向上しやすくなります。
メリット4:多角的なコンテンツ提供
テーマ設定の幅が広がり、自社だけでは網羅しきれない専門領域をカバーできるのが共催の強みです。参加者にとっても、一度のセミナーで複数の視点が学べるため、参加の動機づけが高まりやすくなります。
デメリット1:調整コストの増大
複数社で開催するということは、企画、日程調整、告知タイミング、講師の選定、役割分担などで多くのコミュニケーションが必要となります。調整事項が増えるほど、スケジュール管理やタスク分担で混乱が生じるリスクが高まるのです。
デメリット2:ブランドイメージのリスク
共催先の企業イメージが自社と必ずしも合致しない可能性があります。参加者が抱く印象が一致しなかったり、どちらか一方のブランドが強すぎて自社の存在感が薄れてしまう場合もありえます。
デメリット3:成果やリードの共有が複雑
参加者情報の扱い方や、その後のフォローアップ体制をどのように分担するかは、あらかじめ詳細に決めておかなければトラブルのもとになります。「獲得リードはすべて平等に配分するのか」「顧客化までのフォローはどのように行うのか」といった点を明確にしないと、後から不公平感が生じることがあります。
デメリット4:責任範囲が曖昧になりやすい
当日の進行やトラブル対応の責任がどちらにあるのか、あるいは費用負担がどのようになるかが事前に決まっていないと、問題が起こった際に迅速に対応できません。これは共催で最も起こりやすい失敗要因の一つといえます。
共催ウェビナーの最大のメリットは、「集客力やコンテンツ力を相乗的に高められる」点です。特に、単独開催での集客が頭打ちになっている場合や、新規顧客の獲得ルートを拡大したい場合には、大きな効果が期待できます。ただし、その一方で調整コストやブランドリスク、成果配分の複雑さなど、共催ならではの課題も存在します。大切なのは、それらの課題を事前に把握し、パートナーとの間で十分にすり合わせを行うことです。メリットを最大化し、デメリットを最小化するためには、相手企業を慎重に選び、目的・役割・責任を明確化しておく必要があります。次のセクションでは、具体的な企画・準備のステップに焦点を当て、成功に向けて何をどう進めればいいのかを詳しく解説していきます。
企画・準備ステップ
共催ウェビナーを成功させるためには、企画段階から綿密な計画が必要です。特に「テーマの選定」「パートナー企業との協議」「役割分担の明確化」「スケジュール管理」「告知・集客計画」が重要なステップとなります。単独ウェビナーであれば自社の意思決定だけで進められますが、共催の場合は複数のステークホルダーが関わるため、準備の各プロセスで合意形成に時間や労力がかかります。本セクションでは、失敗を避けるための代表的なステップを解説します。

なぜ企画・準備ステップが重要なのか。それは、共催ウェビナーにおける大半のトラブルや課題が「事前の計画不備」によって引き起こされるからです。テーマ設定の不一致、告知タイミングの食い違い、ターゲット層のズレ、役割分担の曖昧さなど、いずれも準備段階でしっかりと擦り合わせが行われていないことが原因となります。逆にいえば、ここを丁寧に行えば行うほど、当日の運営もスムーズになり、より高い成果を得られるでしょう。
1. テーマと目標の明確化
・共催の目的を明確にする : リード獲得、ブランド向上、既存顧客へのアップセルなど、何をゴールとするか。
・ターゲット層の明確化 : どのような業種・職種・課題を抱える層を集めるのか。
・テーマ設定 : パートナー企業と「参加者に提供できる価値」と「両社が得たい成果」の交点を見つける。
2. パートナー企業の選定
・強みの相互補完 : 自社にないノウハウや顧客層を持っている企業か。
・ブランドイメージや文化の相性 : あまりにも文化やイメージが異なると、共催時にミスマッチが起きやすい。
・リスク管理 : 信用力や実績、コンプライアンス意識などを確認し、万が一のトラブルを回避できる体制かを検討。
3. 役割分担とスケジュール設定
・責任の明確化 : 「コンテンツ企画」「告知文面作成」「当日の進行」「配信ツール操作」「参加者フォロー」などを誰が担当するか決める。
・スケジュール管理表の作成 : 日程調整のほか、告知開始日、資料完成日、リハーサル日などを洗い出し、チーム全体で共有する。
・定例ミーティング : 必要に応じて進捗確認の場を設定し、認識のズレを早期に発見・修正する。
4. 集客計画の策定
・告知チャネルの選定 : メール、SNS、Web広告、プレスリリースなどをどのタイミングで実施するか。
・コピーライティングとクリエイティブの作成 : ランディングページ(LP)やSNS投稿、バナー広告、メルマガなど、ブランディングと訴求力を両立したデザイン・文面を用意する。
・ターゲット別施策 : パートナー企業の得意顧客層に合わせたメッセージの出し分けや、問い合わせフォームの分岐なども検討。
5. 当日の運営体制とリハーサル
・配信プラットフォームの選定・テスト : Zoom、Teams、Webex、独自配信サービスなど、機能や費用を考慮して最適なツールを選ぶ。
・登壇者の役割分担 : オープニング担当、メイン講師、QAセッションなどを明確にし、リハーサルで流れを確認する。
・トラブル対応策の共有 : 配信エラーや参加者トラブルにどう対処するか、あらかじめシミュレーションしておく。
共催ウェビナーの企画・準備ステップは、単独開催時よりも緻密な計画とパートナー企業との連携が求められます。特に「テーマ設定」「ターゲット選定」「役割分担」は成功を左右する重要ポイントです。ここをしっかり固めておけば、当日の運営トラブルを大幅に減らし、さらに参加者満足度を高めることができます。こうした事前準備を怠らずに行うことで、「共催の強み」を最大限に活かし、成功確度の高いウェビナーを作り上げることが可能です。次のセクションでは、具体的な集客やマーケティング施策についてさらに踏み込んで解説していきます。
集客・マーケティング施策
共催ウェビナーの効果を最大化するうえで、集客手法やマーケティング施策の巧拙は極めて重要です。多くの企業が、ただメールやSNSで告知するだけで終わってしまい、十分な成果を得られないケースが散見されます。共催だからこそ可能になる特別なプロモーション方法や、複数社のリソースを生かした集客チャネルの最適化が鍵を握ります。
いくら内容が優れていても、参加者が集まらなければウェビナーは成功しません。そして、共催ウェビナーの場合は、複数の企業が持つ集客リソースを相互活用できるメリットがあります。メールリストやSNSフォロワー、既存顧客への案内、パートナー企業の協力などを総合的に活用することで、単独開催時よりも高い集客効果を期待できるのです。しかし、ただ単に「双方のリストに同じ案内を送る」だけでは不十分で、コンテンツやターゲット層に合わせた施策の最適化が必要となります。

1. 共催先企業とのクロス告知
- メールマーケティング : 各社のメールリストに向けて、それぞれが最適な文面で告知を行う。リスト特性(既存顧客かリードか、業種や役職など)に合わせたパーソナライズを実施すると効果大。
- SNS連動 : 企業アカウントがフォロワー層にアプローチし、相互リツイートやシェアを行うことで拡散力が高まる。Twitter(X)やLinkedIn、Facebookなど、利用チャネルが多様ならより効果的。
2. プレスリリースや共同インタビュー記事の配信
- プレスリリース発行 : 共同開催という話題性を活かし、ウェビナーの趣旨や内容をリリースとして配信。メディアに取り上げられれば、新規層への訴求効果が期待できる。
- 共同インタビュー記事 : 関連する業界メディアや自社ブログなどに、共催企業同士の対談・インタビュー形式で記事を掲載し、ウェビナー参加促進につなげる。
3. ランディングページ(LP)の最適化
- 訴求ポイントの明確化 : 「なぜこのウェビナーに参加すべきなのか」を端的に示し、共催企業それぞれの強みや内容が簡潔に理解できる構成にする。
- デザイン統一感とブランディング : 両社のロゴやカラーを使用する際に、見づらくならないように配色やレイアウトを工夫する。
- CTAの配置 : LP内で複数のCTAを設置し、スクロールしても常に申込みがしやすい導線を確保。
4. ウェビナー前後のフォローアップ施策
- リマインドメール : 参加登録後に、イベント直前などタイミングを計って複数回送信し、参加率を高める。
- 事前アンケート : 参加者の関心テーマや疑問点を事前に収集し、当日のコンテンツに反映する。これにより、満足度向上や離脱率低下が見込める。
- アフターフォロー : イベント終了後にサンクスメールや資料ダウンロード案内を送る。事後アンケートで収集したデータは次回企画や商品の改善に活かす。
共催ウェビナーの集客・マーケティング施策を成功させるためには、複数社が持つ強みをいかに掛け合わせるかがポイントです。メールリストやSNSフォロワーの単純な「足し算」だけでなく、それぞれの顧客層に響くメッセージを考え、異なるチャネルを有効に使うことが大切です。また、ウェビナー前後のフォローアップも、単独開催以上に重要になります。共催先と連携して「事前の興味喚起」「当日の参加率向上」「事後の顧客育成」の仕組みをしっかり作り込むことで、リード獲得と商談化の可能性を最大限に高められるのです。次のセクションでは、具体的な成功事例や失敗事例を通じて、さらに深い学びを得るためのポイントを紹介していきます。
成功事例・失敗事例から学ぶポイント
共催ウェビナーは実際にどういった成果を生み出しているのか、またどのような失敗が起こり得るのかを事前に知っておくことは、成功確率を高めるうえで非常に有効です。本セクションでは、実際の企業が取り組んだ共催ウェビナーの成功事例と失敗事例を取り上げ、その要因と学ぶべきポイントを解説します。
自社がこれから共催ウェビナーに取り組むとき、すでに同様の施策を行った企業の実例があれば、そこから多くの示唆を得られます。成功要因を真似するだけでなく、失敗要因を避けるための準備を行うことで、実行フェーズでのミスを最小限に抑えられるからです。「先人に学ぶ」ことは、限られたリソースや時間を有効活用するための最良の手段の一つといえるでしょう。
成功事例①:ITソリューション企業A社 × コンサル企業B社
背景 : A社は業務効率化のソフトウェアを提供しており、既存顧客のリードナーチャリングに課題があった。B社は同領域での導入コンサルに実績があるが、ツール導入後の継続的な運用までカバーしきれなかった。
取り組み : 両社は「企業のDX推進セミナー」というテーマでウェビナーを共催。A社はツール導入のメリットと具体的な機能紹介を行い、B社は導入後の組織課題や現場定着のポイントを解説した。
結果 : 参加者数は単独開催時と比べて1.8倍に増加。その後の商談化率も高く、両社とも新たなリードを獲得できた。一部の顧客は両社のサービスを同時に導入する流れにつながり、まさに相乗効果を実感。
成功要因 : お互いの強みが明確であり、テーマ設定でそれぞれが得意とする切り口を活かした点。告知に関しても、A社とB社の顧客リストに向けて異なるアプローチを行い、カニバリゼーション(同じ層への重複メッセージ)を最小限に抑えたことが功を奏した。
成功事例②:クラウドサービス企業C社 × デザインエージェンシーD社
背景 : C社は自社のクラウドサービスを中小企業向けに展開していたが、導入時のUI/UX設計にハードルを感じる潜在顧客が多かった。D社はUI/UX設計の支援を専門としており、新規顧客への認知拡大を狙っていた。
取り組み : ウェビナーでは「使いやすさが顧客満足度を高める」というテーマで、C社がサービスの機能面や事例紹介、D社がデザイン視点からの導入のコツやワークショップ形式の紹介を行った。
結果 : 当初目標としていた参加者数100名を大きく上回り、150名以上を集客。C社の既存顧客からも「デザイン面での改善提案」を希望する声が多数寄せられ、D社にとっては新規案件につながった。
成功要因 : 互いの専門領域が明確に差別化されており、参加者が「一度のセミナーで多角的な視点を学べる」と高く評価した。さらに、訴求ポイントを相互リンクする形で告知文面を構成したことで、双方のブランド認知度向上にも寄与した。
失敗事例①:スケジュール調整の不備で集客が混乱
状況 : E社とF社が共催を計画するも、内部的な調整不足で告知開始日がズレ込み、結果的に集客期間が十分に確保できなかった。
問題点 : E社は「1ヶ月前から告知開始すべき」と主張していたが、F社は「2週間前からで十分」という認識のまま動いていた。最終的にメールやSNS投稿のタイミングがバラバラになり、参加者が集まり切らなかった。
学び : 共催ウェビナーは複数社で進行するため、スケジュール共有と告知計画の同期が必須。相手企業の事情や社内フローを理解したうえで、**カレンダーを共有して整合性を持ったアクション**をとることが重要。
失敗事例②:リード情報の取り扱いを巡るトラブル
状況 : G社とH社がウェビナーを共催し、当日は好評を博した。しかし、終了後にリード情報の扱い方で意見が対立。
問題点 : G社は「参加者全員のデータを自由に使える」と考えていたのに対し、H社は「参加者自身の個人情報の同意範囲を限定している」というスタンスで、結果的にH社側が持つ参加者情報の共有が認められなかった。
学び : 「個人情報保護」や「リードの活用範囲」は、開催前にしっかり契約書や覚書で定義しておく必要がある。ここを怠ると、ウェビナー後に得られるはずのメリットが薄れたり、企業間関係が悪化する恐れがある。
これらの成功事例・失敗事例からわかるのは、「共催の目的や役割を明確にし、お互いの強みと責任範囲を事前にすり合わせること」がカギだということです。成功したケースではテーマ選定や告知計画などが緻密に行われ、失敗したケースではスケジュール管理やリード情報の取り扱いといった基本事項の認識合わせが不十分でした。共催ウェビナーを検討する際には、こうした事例から得られる学びを踏まえて、リスクを最小限に抑えながら相乗効果を高める施策を打つことが必要です。次のセクションでは、費用や予算設計の考え方を中心に解説し、実際にどれくらいのコストがかかり、どのように分担すべきかを詳しく見ていきましょう。
費用・予算設計
共催ウェビナーを開催するにあたり、具体的にどのような費用がかかるのか、そしてそれをどのように分担するのかは、企業が最も気になるポイントの一つです。単独開催との比較を含めて、費用項目と目安、適切な予算設計の考え方を整理してみましょう。
ウェビナーの費用対効果をきちんと把握していないと、開催後に「こんなにお金がかかるとは思わなかった」という事態や、「リード数の割に費用が高すぎた」という不満が募る可能性があります。特に共催の場合は複数社が関与するため、お金の流れが複雑になりやすく、契約書や覚書を取り交わす段階で明確にしておかなければ、後々のトラブルの原因にもなり得ます。
1. 告知・広告費
- SNS広告や検索連動型広告を出稿する場合の費用。
- メールマーケティングツールやプレスリリース配信サービスを利用する場合のコスト。
- バナー制作やLPデザイン作成を外注する場合のデザイン費用。
2. 資料制作費
- プレゼン資料、ホワイトペーパー、動画素材など、コンテンツ制作にかかるコスト。
- プロのデザイナーやコピーライターを起用する場合の外注費。
3. 運営スタッフの人件費
- 当日の進行役やQ&A対応、配信機材のサポートなど、社内リソースをどれだけ投入するのか。
- リハーサルや打ち合わせの回数にも左右される。
4. その他
- プレゼント企画(参加特典)などを行う場合の景品代。
- 見込み客リスト管理やMA(マーケティングオートメーション)ツール費用。
- 開催後のフォロー(メールや電話など)のオペレーションコスト。
費用分担の考え方
参加者数目標やリード獲得数に応じた分配 : たとえば「全体の参加者200名のうち、A社は100名、B社は100名の獲得が目標」という形で、費用も半々に分担する方法。
役割による分担 : A社がウェビナーツールを無償で提供し、B社は広告費を多めに負担するなど、各社の得意分野や社内資産を考慮する。
成果報酬型の合意 : 事前に取り決めたリード数や商談化率などのKPIに応じて費用を変動させる、成果報酬型の合意を行うケースもある。ただし、契約内容が複雑になりやすい。
共催ウェビナーの費用を適切に設計するには、まず「どの費用項目がどれだけ発生するのか」を洗い出し、各社の強みや目的に応じた分担方法を明確にすることが不可欠です。特に広告費やツール費用の分担では、互いの期待値が一致しているかを確認するプロセスが重要。共催の利点としてコストを分散できる一方で、責任分担や成果配分が不透明だと、不満やトラブルにつながります。したがって、事前に契約書や覚書でしっかりルール化することで、安心して共催に踏み切れる環境を整えましょう。次のセクションでは、こうした契約や責任分担、法的注意点についてさらに詳しく掘り下げていきます。
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契約・責任分担・法的注意点
共催ウェビナーは複数企業が関わるため、「契約内容の明確化」と「責任分担」は極めて重要です。特に、参加者の個人情報の扱い、トラブル発生時の対応、著作権やコンテンツ使用権などの法的リスクについては、事前に合意形成を行っておかないと、後で大きな問題に発展する可能性があります。
オンラインイベントでは、参加者の個人情報(氏名、メールアドレス、企業名など)を扱う場面が必ず発生します。共催の場合、これらの情報を複数社がどのように共有し、どこまで利用してよいのかはあらかじめ決めておかなければ、個人情報保護法をはじめとする法令違反につながるリスクが生じます。また、ウェビナーのコンテンツ(スライド資料、録画映像など)の著作権がどちらに帰属するのか、二次利用するときに相手企業の了承を得る必要があるのかなどを曖昧にしてしまうと、後日トラブルになるケースも少なくありません。

1. 個人情報保護・データ共有
・事前同意の取り方 : ウェビナー申込みフォームで「共催企業とデータを共有する」旨の利用規約やプライバシーポリシーを明示。
・データ管理責任の明確化 : 例えば、参加者管理をA社が行い、B社は必要な範囲のみ利用する、あるいは両社が別々にデータを管理するなど、運用ルールを決める。
・後日の営業活動範囲 : 参加者データを電話営業やメール配信に利用してよいのか、その期間や頻度はどうするのかも要チェック。
2. 著作権・コンテンツ利用権
・スライド資料の帰属 : 自社が作成した資料は自社に著作権があり、相手企業が二次利用する場合は許可が必要なのかを明確にする。
・録画映像の取り扱い : ウェビナーの録画を後日配信する場合、どのチャンネルで配信し、どちらの企業が管理するのかなどを事前に合意。
・ブランドロゴ・商標の使用許諾 : 共催ウェビナーの告知ページや資料において、相手企業のロゴを使う場合のルールを確認しておく。
3. 費用負担とキャンセルポリシー
・契約書での明文化 : 「やむを得ない事情でウェビナーが中止・延期になった場合の費用負担」をどうするかを文書で定める。
・キャンセル料の設定 : すでに告知を開始している段階で一方が辞退した場合、広告費や制作費などの損害はどのように扱うのか。
・予期せぬ事態への備え : 自然災害やシステム障害などによるトラブル対応はどうするのか、あらかじめ話し合う。
4. 当日トラブル時の対応責任
・配信環境の不備 : 回線トラブルやプラットフォームの障害が起きた場合、どの企業がどのように対処するか。
・進行上の問題 : 登壇者が急に欠席した場合や、質疑応答が長引いてスケジュールが崩れた場合の判断基準。
・誹謗中傷やセキュリティリスク : チャット機能を悪用した迷惑行為などが起きた場合、どちらがモデレーションを行うのか。
共催ウェビナーを円滑に進めるうえで、契約・責任分担・法的注意点の事前確認は不可欠です。特に、個人情報保護や著作権、コンテンツの二次利用などはオンラインイベントにおいて非常に重要なポイントとなります。どちらか一方が独断でデータを活用したり、無断で録画映像を公開したりすると、相手企業の信用を損ねるだけでなく、法的リスクにも発展しかねません。したがって、「契約書や覚書でルールを明文化し、必要な場合は弁護士など専門家のチェックを受ける」などの対策を講じることを強くおすすめします。次のセクションでは、開催後のフォローアップやリードナーチャリングの重要性に焦点を当てて解説していきます。
開催後のフォローアップ
共催ウェビナーを無事に開催して終わり、ではなく、最も大切なのはアフターフォローです。開催後に参加者へ適切なフォローアップを行うことで、リードを育成して商談や成約に繋げる可能性が大幅に高まります。また、共催パートナーとの今後の協力関係を強化する意味でも、開催後の情報共有や振り返りは欠かせません。
ウェビナーは、参加者が製品やサービスに関する理解を深める良い機会ですが、即座に商談化・成約に直結するとは限りません。むしろ、多くの場合は「興味を持った段階」や「詳しく聞いてみたい段階」にとどまっており、そこから継続的にアプローチすることで本格的な導入検討に進むケースが一般的です。したがって、ウェビナー後のメールや電話でのフォロー、追加資料提供などのナーチャリング施策が、成果を最大化するために不可欠となります。
1. お礼メール・資料送付
・お礼メールの送付 : 開催直後に「ご参加ありがとうございました」のメールを配信し、ウェビナーの録画リンクやスライド資料を案内する。
・追加コンテンツの提供 : 関連するホワイトペーパーや導入事例集などを共有し、参加者の学習意欲を継続させる。
2. アンケートによるフィードバック収集
・満足度調査 : 「内容は期待通りだったか」「どのセッションが有益だったか」などを問うアンケートを実施。
・今後のウェビナー企画に反映 : 集計結果をもとに、よりニーズに合ったテーマ設定や改善点を洗い出す。
・パートナー企業との共有 : 得られたフィードバックを共催企業同士で確認し、次回開催や共同施策に活かす。
3. リードナーチャリングの設計
・MAツールやCRMとの連携 : ウェビナー参加者のステータスをマーケティングオートメーション(MA)ツールやCRMに登録して、継続的なメールキャンペーンやスコアリングを行う。
・セグメンテーション : 「今すぐ検討層」「情報収集中」「まだ予算がないが興味あり」など、参加者の状態に応じて異なるアプローチを設定する。
・共催パートナーとの情報共有 : リードのステータスや問い合わせ状況などを相互に確認し、クロスセルやアップセルのチャンスを逃さない。
4. 開催結果の振り返りミーティング
・KPIの達成度チェック : 参加者数、アンケート回答率、商談化件数など、事前に定めたKPIを確認する。
・改善点の洗い出し : 告知期間が短かったのでは? スライド内容はわかりやすかったか? 当日の運営体制に不備はなかったか? などを詳細にレビュー。
・次回開催の検討 : フィードバックを踏まえて、テーマの再選定や別のパートナーとの共催を含めた新企画を検討する。
ウェビナー開催後のフォローアップは、単なる挨拶メールにとどまらず、見込み客を顧客化するための重要なステージです。特に、共催ウェビナーで得たリードは、複数の企業にとって有益な可能性があるため、共有とナーチャリング施策のすり合わせが欠かせません。ここでしっかりと役割分担と情報管理を行い、それぞれが追加提案やコンサルを提供していくことで、ウェビナーで得たリードを最大限活用できるのです。次の「まとめ」セクションでは、本記事の重要ポイントを振り返り、共催ウェビナーを成功へ導くための最終チェックリストを提示します。
関連記事:BtoBにおすすめのMAツールを一覧で紹介|選びかたも解説
関連記事:【事例も紹介】MAツールを活用してリードナーチャリングを効率的に
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まとめ
本記事では、共催ウェビナーの定義やメリット・デメリットから、企画・準備の進め方、集客施策、成功・失敗事例、費用・契約面の注意点、そして開催後のフォローアップに至るまで、一連の流れと注意点を包括的に解説してきました。共催ウェビナーは、単独開催では得られない「相乗効果」を狙ううえで非常に有効なオンラインマーケティング施策ですが、その分、調整コストや責任分担、法的リスクへの対処などが不可欠です。
なぜここまで共催ウェビナーにフォーカスしてきたのかというと、昨今のオンラインイベント競争の激化やマーケティング手法の多様化により、1社単独で成果を出すことが難しくなっているケースが増えているからです。共催により、多様な顧客層にアプローチしたり、専門性を掛け合わせることで、より強力な訴求が可能になります。さらに、費用やリソースを分担できるため、企業のマーケティング活動を効率化する手段としても注目されています。
1. 目標・テーマの明確化 : 共催ウェビナーで何を達成したいのか(リード獲得、ブランド向上など)を整理し、共催パートナーとすり合わせる。
2. 相性の良いパートナー企業の選定 : 専門分野や顧客層が重複しすぎないか、あるいは相乗効果が得られる組み合わせかを検討。
3. 企画・告知計画の詳細化 : 役割分担、スケジュール、予算を明確にし、定期的に進捗確認する。
4. 集客施策の多角化 : メールリスト、SNS、広告、プレスリリースなどを連携し、ターゲットごとに最適なアプローチを設計。
5. 契約書・覚書の作成 : 個人情報保護、著作権、費用負担、キャンセルポリシーなどを明文化し、法的リスクを回避。
6. 当日の運営準備 :リハーサルの実施、トラブル対応策の確認、登壇者の役割分担などを徹底。
7. 開催後のフォローアップ : リード情報の共有とナーチャリング施策、アンケート収集、振り返りミーティングを通じて次回に活かす。
共催ウェビナーを成功させるためには、「事前の準備」「当日の運営」「開催後のフォローアップ」のすべてのフェーズにおいて、パートナー企業との連携が欠かせません。単独開催よりも準備項目が増えるため、一見ハードルは高いように思えますが、その分得られるメリットは非常に大きいです。自社だけではリーチできない層への訴求や、専門知識の拡充、コストシェアによる負担軽減など、適切なパートナーを選び、しっかりと企画を立てれば、共催ウェビナーは強力なマーケティング手段となるでしょう。
本記事が、これから共催ウェビナーを検討する際の指針となり、より効果的なオンラインイベント運営へとつながることを願っています。ぜひ、紹介した成功事例・失敗事例やチェックリストを活用しながら、自社に最適な共催プランを構築してみてください。