皆さん、こんにちは。
リードファクトリーの遠藤(@enndooooo_)です。
タイトルにある通りですが、製造業などのニッチ商材(=ターゲットが少ない)における非SaaS/BtoBマーケはまさに“総合格闘技”だと個人的に思っています。
世の主要サービスの整理と位置付け
まず、大雑把に4象限で主要サービスを整理してみます。
大体の枠で分類しているので、細かい部分でみると「いや、左上じゃなくて左下じゃね?」みたいなものもあるかと思いますが、ご了承ください。
この中でBtoB製造業のマーケティングは③に当たります。
他にもセールスコンサルやマーケコンサルは①ですし、どんな業界でも必要になる人事労務系のSaaSなどは②になりますね。
では、①、②、③、④の分類で、
・どのようにマーケティング手法が変わるのでしょうか?
・そもそもどこに差が表れるのでしょうか?
ホリゾンタル VS バーティカルの場合
ホリゾンタル VS バーティカルの場合、まず明確な差が表れるのはリード数でしょう。
ホリゾンタルSaaSの代表である、SmartHRさんのリード数はインターネット検索で出てきた2020年4月で3,300MQLとのこと。単月のMQLでこの数字はとんでもないですね…!!
SmartHRはクラウド人事労務ソフトとして、業界シェアNo.1※1。すでに一定の認知度はありましたが、TVCMの成果は計り知れず、4月のリード数は3,300MQL※2、商談数は500超と過去最高を記録して、6月には商談数が700まで伸びたのです。
業界特化型(小売や飲食は除く)や大企業向けなどのバーティカルなサービスであればまずあり得ない数字。
市場が大きく、ターゲットも広いということはマーケティングの手法も変わってきます。
例えば、テレビCMですね。認知を獲得することでの恩恵が非常に大きい。細かいターゲティングをする必要性が少ないですし、潜在層に一気にリーチできます。(もちろん費用は少なからずかかってくるので、ある程度の余裕がないと実施ができませんが、、、)
また、BtoBマーケティングならではですが、ナーチャリング施策についても非常に重要になります。獲得したリードを商談に繋げるナーチャリング施策の成否によって大きく商談数が変わると考えられるからです。
例えば、リード数が100,000&商談転換率3%なのと、リード数が10,000&商談転換率が10%なのを比較しても、前者は商談数3,000で後者は商談数1,000に留まります。
やはりホリゾンタルのサービスかつデスクワーカー向けのサービスであれば非常にデジタルと相性が良いと考えられますね。
高単価VS 低単価の場合
高単価VS 低単価の場合、ターゲットの役職の許容範囲が変わります。
低単価やフリーミアムモデルの場合、「現場で試してみてOKだからそのまま導入」や「金額的に課長・部長クラスの決裁でGOサインが出る」など役員陣や取締役会の判断を待たずして導入することができるので、必然的に受注のハードルが低くなります。
一方で、高額商材の場合ですが、社内稟議のルール上、「100万円以上の契約の場合は取締役/取締役会の承認が必要」みたいなものがあります。
なので、取締役会で承認してもらうためにもカウンターパートナー(Champion)を味方につけ、取締役会で稟議が滞りなく通過するように根回しをして貰うなどの動きが必要になってきます。
(話が若干それますが、役員陣にプレゼンする場合、経営課題の解決になるサービス、具体的には「売上UP」 or 「費用削減」に直結するか?をみられますし、それに帰結するからこそ高価格でも売れるとも言えます。)
上記のことを考えてみると高単価商材の場合、ターゲットの役職を「一般」や「係長」クラスにしてしまうと、初回接点から役員に説明する機会を得るまでに長い道のりを歩まなければなりません。
逆に、最初の接点が役員陣であればすんなりと話が進むことも多々あります。広告費も営業部隊も有限ですので、低いレイヤーとの接点はスルーし、ハイレイヤーのみと接点を持つことで営業効率化する必要があります。
ニッチ×高単価商材(非SaaS)がなぜ”総合格闘技”なのか?
非常にシンプルです。
答え:あらゆる手段を使って新規リードを常に開拓する必要がある
ただでさえ母数は多くありません。そして、インバウンドで獲得できるリード(Web上で接点が持てる企業)にも限りがあります。また高単価商材の場合、リピートというものが頻繁にあるものではありませんので、常に新規の案件を獲得しなければなりません。必然的にあらゆる面を開拓&攻略することが求められます。
非SaaSなので、大企業のアカウントを攻略しても継続的に高い収益があがるわけではなく、そこからいかにクロスセルやアップセルに繋げていくかも非常に重要。ここがまた難しいところでもあります。
BtoBのデジタル施策であれば、流入経路はこんな感じでしょうか。SEO/検索・広告・SNS・メール・アプリ・ウェビナー。その中でも、検索と広告はサービス自体の知名度と密接に関係しています。まだ市場が出来上がっていない場合、そもそも誰も検索をしないので、認知を目的とした広告とSNSが主戦場になります。
一方で、BtoBのリアル施策であれば、架電・マス広告/OOH・DM・リアルイベント(展示会、カンファレンスなど)・紹介がメインになるでしょう。
さて、ホリゾンタルの商材はどうでしょうか。ターゲットが非常に多く、デジタル施策でもかなりのリード数が稼げそうです。よく見かけるこのようなKPIツリーと睨めっこしてPDCAを回すことが成果に繋がる可能性が高いです。
しかし、バーティカル×高単価(非SaaS)ではそう簡単にはいきません。非SaaSの売り切り型のサービス・商品を提供している企業は、常に新規顧客を開拓する必要があります。
上記のKPIツリーをある一定まで磨き上げた後は、別のルートを模索する必要があります。しかもなかなか辛いのは、成約率はオンラインよりもオフラインの方がほとんど下がる傾向がある事実です。
上記が主なオフラインでの獲得経路ですが、パートナー経由からの紹介を除いてオフラインよりも成約率は下がる傾向があります。やはり、自社のWebサイトをみて自主的にお問い合わせを頂けるリードよりも緊急度や理解度が全く異なるためです。
とはいえ、ある程度オンラインでの獲得を磨くと、その転換率を1%上げるのに多大な労力と時間がかかってしまいます。そこで迫られる選択。
・磨き上げたらどこまで伸び代があるのか??
・別のチャネルの方が費用対効果が良いのでは??
自社がどのようなビジネスモデルであり、製造業であれば「完成品メーカー」なのか「サプライヤー」なのかで対象とするターゲットも違うので適切なチャネルも異なります。
リードファクトリーでは、広告運用に関する無料相談をおこなっています。ぜひお気軽にご相談ください。
一橋大学商学部卒。ENEOS株式会社に新卒で入社。日本最大級の屋内型テーマパークの立ち上げ、ベンチャー企業でマーケティング責任者としてBtoBマーケティング、インサイドセールス等の立ち上げ。その後、プライム市場上場のグローバル医療メーカーにて、海外BtoBマーケティングに従事。その後、BtoBマーケティング・営業DX支援の株式会社LEAD FACTORY.を創業。