「なんとなく企画」のウェビナーが集まらない理由を累計300件以上開催してる目線から考えてみた。

「ウェビナーをやってみたけど、集客が伸びない」「タイトルをどうつければいいかわからない」

BtoBマーケティングにおいてウェビナーは有力なリード獲得手段ですが、企画の質で結果が大きく変わります。

根本的な問題は多くの場合、「自社が伝えたいこと」から企画を始めていること。本記事では、顧客の課題とその背景にある”なぜ改善できないのか”を言語化するところから企画を立て、刺さるタイトルに落とし込む実務プロセスを解説します。

1. ウェビナーの集客が伸びない企業に共通する「企画の出発点」の問題

ウェビナーが集まらない根本原因は、企画の出発点が「自社視点」になっていることです。

BtoBマーケティングにウェビナーを取り入れている企業が増えていますが、いざやってみると「申込数が10件以下で終わった」「参加者の質が低い」「何を話せばいいかブレる」といった悩みをよく耳にします。

出発点が自社視点になっている企業は、こうした動機でウェビナーを企画しがちです。

  • 「自社のサービスをもっと知ってほしい」
  • 「最近事例が増えたので紹介したい」
  • 「競合他社もウェビナーをやっているから」

この出発点では、どうしてもタイトルが「○○のご紹介」「△△活用セミナー」という形になります。見込み顧客の立場から見ると、「自分の仕事の課題が解決するか」が見えないため、申し込む動機が生まれません。

刺さるウェビナーを作るための出発点は、「顧客がなぜその課題を解決できていないのか」です。「自社が何を伝えたいか」は、その後に考えることです。

2. 企画の質を決める「3層の掘り下げ」

ウェビナー企画の質は、「なぜ改善できないのか」という第3層まで掘り下げられているかどうかで決まります。 情報の整理は以下の3層構造で行います。

① テーマ(自社の注力領域)
  ↓
② 課題/改善したいこと(顧客が感じている表面的な悩み)
  ↓
③ なぜ改善できないのか(課題が解決されない構造的な理由=インサイト)

多くの企業が①と②で止まっています。③まで掘り下げることで、タイトルに「共感」と「解決への期待」が同時に生まれます。

実際の取り組み方

3層構造を実際にどう使うか、リードファクトリーの支援領域であるSaaS系スタートアップへの「BtoBマーケティング立ち上げ支援」を例に組み立ててみます。

内容
テーマSaaSスタートアップのBtoBマーケティング立ち上げ
課題/改善したいことプロダクトはできた。でもリード(見込み顧客)が全然集まらない
なぜ改善できないのか・何の施策から手をつければいいかわからず、とりあえず広告を出してみたが費用対効果が見えない。
・マーケ専任がおらず社長や営業が兼務しているため、施策を継続的に回せるオペレーションが存在しない。
・そもそも自社のICP(理想顧客像)が言語化されておらず、誰に何を伝えるべきかが決まっていない
タイトル(案)「リード0からの立ち上げ。SaaSスタートアップがマーケ専任なしで月10件の商談を作るまでにやった3つのこと」

このタイトルが機能する理由は、「なぜ改善できないのか」の構造を具体的に把握したうえで、読んだ人が「これは自分たちの話だ」と感じる場面設定になっている点です。

  • 「リード0からの立ち上げ」というゼロ地点の設定が、同じ状況にいる担当者・社長の視線を引きつける
  • 「マーケ専任なし」という条件を明示することで、「うちには無理」という離脱を防ぎ、むしろ「自分たち向けだ」という共感になる
  • 「月10件の商談」という具体的なゴールと「3つのこと」という手順の提示で、参加後に何が得られるかが明確になる

抽象的な課題を語るのではなく、「なぜできなかったのか」の構造を具体的に言語化したうえで突破口を示すことが、ウェビナータイトルの基本設計です。

3. 実務で使える「3ステップ企画立案プロセス」

STEP 1:自社の注力テーマを決める

テーマは1〜2つに絞り切ることが先決です。 欲張って複数テーマを並べると、後工程で企画がブレます。

絞り込みの基準:

  • 直近3〜6ヶ月で受注・問い合わせが増えているテーマ
  • 営業現場でよく聞かれる質問・相談のテーマ
  • 競合他社との差別化が出せるテーマ

たとえばリードファクトリーであれば、「BtoBマーケティングの立ち上げ」「BtoBマーケの内製化支援」「CRM(HubSpot/Zoho)の導入・活用」といったテーマが該当します。

STEP 2:「課題」と「なぜ改善できないのか」を分けて言語化する

「課題」と「インサイト(なぜ改善できないのか)」は別物です。ここを混同したまま企画を進めると、タイトルが表面的な言葉の羅列になります。

課題(表面): 顧客が感じている困りごと
インサイト(深層): その課題が解決されない構造的・心理的な理由

このSTEP2の中でも特に重要なのが、「なぜ改善できないのか」の言語化です。

よくある失敗が、「リソース不足」「ノウハウ不足」といった抽象的な言葉で止めてしまうことです。これでは企画が前に進みません。

「リソース不足」で止まると、ウェビナーのタイトルも「〇〇を効率化する方法」という漠然とした内容になり、「自分向けの話だ」とターゲットが感じるレベルまで刺さらないのです。

「なぜ改善できないのか」は、担当者やターゲットが実際に直面している負(課題)が、具体的な場面・状況として言語化されているかどうかが判断基準です。

たとえば「ノウハウ不足」ではなく、「何が正解かわからないまま施策を走らせ、上司に数字で説明できず承認が得られない」という粒度まで落とせているか。ここまで具体化できて初めて、ウェビナーの中で「何を話せば刺さるか」が見えてきます。

以下のように2段階で掘り下げると整理しやすくなります。

テーマ課題/改善したいことなぜ改善できないのか
SaaSスタートアップのBtoBマーケ立ち上げプロダクトはできたが、リードが集まらない・ICPが言語化されておらず、誰に何を伝えるべきかが決まっていない。
・マーケ専任がおらず施策を継続的に回すオペレーションがない

この表を埋める際に有効なのが、「なぜ改善できないのか」を1回ではなく2〜3回繰り返し深掘りすることです。

深掘りを重ねることで、「それなら自分たちが答えを出せる」という確信を持ってウェビナーを設計できます。

  • 表層:「時間がない」
  • 1段深く:「時間がないのは、どのツールを使うか意思決定できないから」
  • さらに深く:「意思決定できないのは、比較軸が整理されておらず、稟議を通す根拠が作れないから」

STEP 3:「タイトル」に落とし込む4つのパターン

インサイトが言語化できたら、以下の4パターンのいずれかに変換します。 BtoBウェビナーで申込数が取れるタイトルは、このいずれかの型に当てはまります。

パターン① 数字で結果を示す

「商談数3倍、案件化率5%→15%を実現したインサイドセールスのヒアリングを大公開!」

数字は「本当に効いた話だ」という信頼を生みます。自社事例・支援事例の数字を積極的に使いましょう。

パターン② 失敗・あるあるから入る

「なぜインサイドセールスは立ち上げ3ヶ月で商談数が失速し始めるのか」

「これ、自分たちのことだ」という共感が申込動機になります。「改善できない理由」を正面から言語化するこのパターンは、特にBtoBで効果的です。

パターン③ 固有名詞×業態で絞る

「SaaS企業のBDRが初月からエンプラ商談を10件作れた、ターゲットアプローチの全手順」

業種・役職・フェーズで絞ると、「自分向けの内容だ」と感じる人だけが集まります。母数は減りますが、商談化率が上がります。

パターン④ 「やり方」「手順」を明示する

「専任担当がいないスモールチームでもできる。ウェビナー集客を仕組み化する6ステップ」

How-to型は検索意図と合致しやすく、参加後の満足度も高い傾向があります。「何が得られるか」を明確にすることで、申込のハードルを下げます。

4. 「参考事例を集める」習慣がウェビナー企画力を上げる

他社のウェビナータイトルを「テーマ×課題×インサイト」に分解して蓄積する習慣が、企画力の地力を上げる最短経路です。 自社の企画立案と並行して取り組む価値があります。

広告で流れてくるウェビナーやConnpassなどのイベントプラットフォームを流し見していると、申込数が多そうなタイトル・少なそうなタイトルの差が見えてきます。申込数が多いタイトルを見つけたら、以下の問いで分解してみましょう。

  1. このウェビナーが刺さっている顧客は、どんな課題を持っている人か?
  2. その課題が解決されていない構造的な理由は何か?
  3. タイトルのどの言葉が「共感」や「期待」を生んでいるか?

この分析を10〜20件積み上げると、「刺さる企画の型」が自分の中に形成されます。タイトルを考えるたびに「ゼロから考える」状態から抜け出せます。

まとめ

BtoBウェビナーの企画立案で結果を出している企業は、「自社が言いたいこと」ではなく「顧客がなぜ困っているのか」から企画をスタートしています。

3層の掘り下げ(テーマ→課題→なぜ改善できないのか)を経てタイトルを設計することで、申込数・商談化率の両方が改善していきます。また、他社の優れたウェビナーを同じフレームで分解・蓄積する習慣が、企画力そのものを底上げします。

「ウェビナーを始めたいが何から手をつければいいかわからない」「集客が伸び悩んでいる」という場合は、ぜひリードファクトリーにご相談ください。企画立案から集客・運営まで、BtoBウェビナーの立ち上げを一貫してご支援しています。

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