デジタルマーケティングの重要性がますます高まる中、マーケターが直面する課題は複雑化し、増加の一途をたどっています。リードの獲得から育成はもちろん、有効なインサイトの抽出と分析、さらにROIの測定に至るまで、マーケティング活動のあらゆる側面で効率性と効果が求められています。
「従来の方法や既存のツールでは限界…」
「顧客データを効果的に活用して、パーソナライズされた体験を提供したい」
「マーケティング活動の成果を定量的に測定したい」
上記のようなお悩みを抱えていませんか?
本記事では、Marketing Hubの主要な機能とその活用方法について詳しく解説します。
HubSpot(ハブスポット)とは
HubSpotは営業・マーケティング・カスタマーサクセスを効率化するためのCRM(顧客関係管理)システム兼MAツール(マーケティングオートメーションツール)です。
よく比較されるSalesforceやMarketoなどの違いとしては、HubSpotというツールでCRMとMAツールの両方の機能を有しているという点です。SalesforceにはMarketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)というMAツールが別途あります。
HubSpotで顧客とのやり取りを一元的に管理することで、リードの育成から受注までのプロセスを非常に容易に管理することができます。
また、企業の目的や個性、成長度合いに応じて柔軟にカスタマイズすることが可能なので、例えば、受注時と失注時のプロセス、メールの開封率等を詳細に比較分析し、マーケティングや営業活動を改善することなどができます。
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価格体系と無料で使える機能
HubSpotの購入方法は大きく分けて「まとめて機能を買う方法」と「機能ごとに買う方法」があります。
まとめて購入する場合
“Customer Platform”と呼ばれ、マーケティングや営業に必要な基本的な機能が全て内包された製品です。
料金形態は以下の通りですが、価格によって社内で使用できる人数や一部サービスの上限数が増えます。
“無料”プランはもちろん、”Starter Customer Platform”プランでもマーケティングや営業活動に必要な基本的な機能が備わっています。各種無料プランがあります。無料プランでは機能に制限がかかるものの、一部機能を無料で使用することができるため、気になる方は無料プランで使用感を確かめることをお勧めします。
プランに関して詳しくはHubSpot公式HPをご覧ください。
機能毎に購入する場合
HubSpotは以下の通り、6つ機能を軸にサービスを展開しています。
- マーケティング
- セールス
- サービス
- コンテンツ
- オペレーション
- コマース
今回はマーケティング領域である「Marketing Hub(マーケティングハブ)」の料金形態と機能についてをご紹介します。プランの詳細は公式サイトからご確認ください。
プラン | 価格(月額) | アップグレードする機能 |
---|---|---|
無料 | 0円 | |
Marketing Hub Starter | 1,800円 | (無料プランに比べ) ・コミュニケーションの自動割り当て ・HubSpotが提供する電話番号 ・目標 ・シンプルな自動化 ・繰り返しタスクとタスクキュー ・複数通貨対応 ・電子署名 が追加されます。 |
Marketing Hub Professional | 96,000円 | (Starterプランに比べ) ・フォーキャスト ・コーチングプレイリスト ・コール文字起こしとコーチング ・プレイブック ・シーケンス ・ABMツールとオートメーション ・案件創出ワークスペース |
Marketing Hub Enterprise | 432,000円 | (Professionalプランに比べ) ・詳細な権限 ・予測リードスコアリング ・カスタムオブジェクト ・リードフォームによる割り当て ・経常収益の追跡 ・コミュニケーションインテリジェンス |
各種無料トライアルがあり、無料プランでも以下の充分な機能を使うことができますので、ぜひお試しください。
- リード管理
- 顧客情報を一元管理し、簡単に検索/更新が可能
- Eメール
- テンプレートの作成と一括管理
- メール連携(GmailやOutlookとの連携)
- 基本的な商談管理
- 進捗毎の管理やミーティング調整などが可能
HubSpotの無料のミーティング調整機能については「【無料で使える】HubSpotの日程調整ツールの機能を徹底解説」で詳細を解説しているので是非ご覧ください。
HubSpotのMarketing Hub(マーケティングハブ)とは?他のHubとの違いを解説
前述した通り、HubSpotは6つの製品で構成されています。すべてに”Hub”と記載されているため、違いがわかりにくい部分はありますが、それぞれの製品の機能は以下の通りです。
- Marketing Hub(マーケティングハブ)
- 見込み顧客・リード管理を目的としたMAツール(マーケティングオートメーション)
- マーケティングキャンペーン管理、比較
- Sales Hub(セールスハブ)
- 商談管理を中心としたCRM・SFAツール
- パイプライン管理やインサイドセールスのコール管理
- 営業活動(商談数、受注数、受注金額)の進捗・フォーキャスト管理
- Service Hub(サービスハブ)
- カスタマーサポート対応の一元管理
- チケットによる応対管理、オムニチャネル対応のヘルプデスク
- FAQサイト(ナレッジベース)による独自のヘルプ記事ライブラリー構築
- Content hub(コンテンツハブ)
- CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)ソフトウェア
- 柔軟性の高いテーマやドラッグ&ドロップ操作のページエディターでサイトを簡単に構築可能
- 流入数やコンバージョン数などのウェブサイトのパフォーマンスを分析
- Operations Hub(オペレーションハブ)
- さまざまなアプリ間の同期、顧客データのクレンジングや整理
- JavaScriptまたはPythonベースのアクションをもとに自動ワークフローを構築可能
- Commerce Hub(コマースハブ)
- 見積もり、決済、レポート、顧客データの全てを一元管理
今回は「Marketing Hub(マーケティングハブ)」について、使用可能な機能や用途について解説します!!
「Marketing Hub(マーケティングハブ)」は広告やランディングページを作成し新たな見込み客を見つけ、有効なインサイトを抽出し分析。そして、MA(マーケティングオートメーション)を実行していくようなツールです。
SalesHubについては「【HubSpot】Sales Hub(セールスハブ)とは?他のHubとの違いを解説」でプランやできることを解説しています。
Marketing Hub(マーケティングハブ)で使える機能について
- リードを集める
- リードとコミニュケーションを図る
- ROIを測定する
順番に詳しく解説します。
リードを集める
新たなリードを見つけるのに、HubSpotのMA及びCRM機能は非常に優秀で、各リードに対する適切なアクションをタイムリーに、かつ自動ワークフローを組んで管理することが可能です。
リードの行動データを集約し、効果的なナーチャリングを実施することで、リードの質を向上させ、コンバージョン率、商談化率、受注率を高めることが可能です。
また、Marketing Hubは初めてCRMやMAを導入する企業にも適しており、多機能でありながらも直感的で使いやすいため、現場での定着が容易です。また、HubSpotの中でMarketing Hubは一番多くの人に使われていると言われています。
Marketing Hub(マーケティングハブ)具体的な機能紹介
・LP(ランディングページ)作成:HubSpotでは、作成に手間がかかるLPも、テンプレートを使用することで簡単に作成できます。また、訪問者のアクションやクリック率を記録し、最適化を繰り返すことで直帰率を改善することが可能です。
・フォームの作成:埋め込み型やリンク型など様々なフォームが作成でき、また作成はドラッグアンドドロップのみで完結し、特別な技術スキルがなくても、短時間で美しいフォームが完成します。さらに、作成したフォームから収集されたデータはすべて自動的にCRM上に蓄積されるため、情報の管理がシームレスに行える点が大きな利点です。
・メール作成:コンテンツ制作に工数がかかるメール作成も、ドラッグアンドドロップのみで簡単に洗練されたメールを作成することが可能です。また開封率やクリック率などを分析し、受信者に合わせてメールをパーソナライズすることも可能です。
・広告効果測定ツール:広告キャンペーンとCRMデータを一元的に管理することによって、広告の費用対効果を最大化することが可能です。また連携ソフトが多いことで、様々な媒体での広告を比較することも可能です。
・SEO対策機能:ウェブページを分析し、キーワード選定や内部リンクの最適化に関する提案をリアルタイムで受けることが可能です。またトピッククラスターを作成することも可能で、ピラーページの作成や内部リンクの効率化において非常に有用です。
・ABテスト機能:一部要素を変更したLPやWebページをAパターンとBパターンで作成し、それをランダムにユーザーに表示することで、より良いパフォーマンスを得られるコンテンツを作成することが可能です。新規コンタクト数や平均直帰率、ページビューあたりの時間を確認することができます。
リードとコミニュケーションを図る
見込みの高いリードをしっかりと見極め、適切なコミュニケーションを継続し、営業へとトスアップすることは、マーケティング職における重要な役割です。
HubSpotのMarketing Hubでは、見込み客を発見した後、ワークフロー機能を活用して効果的なアプローチを実施し、その温度感を維持しながら、架電や1on1メール対応を通じて、リードからの商談への引き上げが可能です。
また、CRMに蓄積されたデータをもとにリードに優先順位を付け、より期待値の高いリードを選定し、最適なタイミングで営業チームにトスアップすることで、営業チームの成約率の向上を図れます。さらに、HubSpotではこれらのプロセスを統合的に可視化し、管理できるため、マーケティングの質を向上させることが可能です。
Marketing Hub(マーケティングハブ)具体的な機能紹介
・キャンペーン管理:Webページやプログなどのコンテンツから、EメールやワークフローなどのキャンペーンをCRM上に紐づけて管理をすることが可能です。社内の連携改善はもちろん、HubSpot上で効果測定が可能なため、各顧客のデータに沿った一貫性のある顧客体験を提供することが可能です。
・ワークフロー(自動化):リードナーチャリングをタイムリーに行わなければ、リードの関心は薄れてしまいますが、HubSpotではトリガーや条件、アクションを事前に設定し、リードに合わせて最適なタイミングで自動的にアクションを取ることが可能です。
・スコアリング:リードの”属性”と”行動”を分析し、優先順位をつけることで、質の高いリードを見極め、マーケティングや営業を効率的に行うことが可能です。さらに、ポジティブな行動や属性だけでなく、ネガティブな要素も考慮することで、ターゲットから外れたリードを早期に特定し、リソースを無駄なく活用できます。また、リアルタイムでスコアが更新されるため、タイムリーなフォローアップが可能になり、コンバージョン率の向上にも寄与します。
・コンテンツのパーソナライズ:エンゲージメントやCV率を向上させるために、CMR上のデータを元に、訪問者やリードのニーズや関心に合わせたカスタマイズが可能です。
ROIを測定する
マーケティング活動の成果や課題を正確に測定し、ROI(投資対効果)を評価することは、費用対効果が高く、有効的な戦略を立てる上で非常に重要です。
HubSpotのMarketing Hubではキャンペーンのパフォーマンスデータを詳細に分析し、課題点を洗い出すと共に、どの施策が最も効果的かを可視化することに置いて非常に特化しています。
Marketing Hub(マーケティングハブ)具体的な機能紹介
・マーケティングアナリティクス&ダッシュボード:Marketing Hubでは、マーケティング活動の効果をリアルタイムで追跡できる強力なアナリティクスツールを備えています。キャンペーンごとの詳細なパフォーマンスデータを提供し、訪問者の行動、CV率、ROIなどを一目で把握することが可能です。さらに、ユーザーごとにカスタマイズできるダッシュボードにより、必要なデータを直感的に操作、表示ができます。また、CRMに保存された顧客データと連携することで、顧客のライフサイクルステージごとのパフォーマンスも分析でき、マーケティング活動全体の最適化を図ることができます。
・ダッシュボード&レポート作成ツール:CRMやMAツール、SFAツールなど様々なツールが集まっているからこそ、HubSpotではマーケティング、営業などのデータを一元的に管理し、高度な分析をすることが可能です。また豊富なテンプレートで、社内誰でも単純明快で詳細なレポートを作成することが可能です。また、それらを社内で共有できる点も大きな利点です。
Marketing Hubの導入がおすすめな企業の特徴
HubSpotのMarketing Hubは紹介した通り、マーケティングやコンテンツ制作など様々な段階において生じる問題を解決し、業務効率化やROIを可視化するツールです。
以下のような企業にはマッチすると考えられます。
正確なROI測定でマーケティング活動の改善を促したい企業様
複数のコンテンツや媒体(メール、LP、ウェビナー、広告など)を活用してリード獲得を試みているが、どの施策が自社に最も合っていて、効果的かを正確に把握できていない企業様。また、リードジェネレーションはできているが、マーケティング活動が商談数や受注数にどれだけ貢献しているかを正確に把握できていない企業様。
リードナーチャリングの実践
ハウスリストの継続的な更新ができていなかったり、ハウスリストに対して効果的なナーチャリングができているかを正確に把握できていない企業様。
また、リードのステージに応じて適切なコンテンツを提供し、潜在顧客を購買まで育成したい企業様。
ホットリードの抽出
リードの見極めが正確にできておらず、商談数が伸び悩んでいる企業様。データや理論に基づいたスコアリングを活用して、ホットリードを判定し選別したい企業様。
また、営業チームが優先的に対応すべきリードを効率的に特定し、リソースを最大限に活用したい企業様。
まとめ
本記事では、HubSpotのMarketing Hub(マーケティングハブ)で使用できる機能からその用途までを解説しました。
Marketing Hub(マーケティングハブ)を活用することで、マーケティング活動の効率化と質の向上を図ることができ、商談に繋がるリードを発見かつ育成することができます。
リードファクトリーでは、HubSpotの導入支援をおこなっています。無料相談もおこなっておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
これ1本で丸わかり!MAツールの選び方(50P超)
一橋大学商学部卒。ENEOS株式会社に新卒で入社。日本最大級の屋内型テーマパークの立ち上げ、ベンチャー企業でマーケティング責任者としてBtoBマーケティング、インサイドセールス等の立ち上げ。その後、プライム市場上場のグローバル医療メーカーにて、海外BtoBマーケティングに従事。その後、BtoBマーケティング・営業DX支援の株式会社LEAD FACTORY.を創業。