【HubSpot】Commerce Hub(コマースハブ)とは?他のHubとの違いを解説

昨今の現場では経理業務の大幅な改善が求められています。

手作業での見積書や請求書、納品書の作成、さらにはそれらの送付には手間がかかるうえに、ヒューマンエラーが発生しがちです。また、入金の確認や収益の整理、決算書の作成には多大な時間と労力がかかります。

以下のようなお悩みを抱えていませんか?

「見積書や請求書の作成、印刷、封入、送付に多くの手間がかかっている」

「ヒューマンエラーが頻発し、業務の効率が低下している」

 「売上レポートや決算書の作成に膨大な時間がかかる」

そんなお悩みを一役に解決できるのがHubSpotのCommerce Hubです。

HubSpotのCRMに紐づいた顧客情報で、顧客への請求や収益の回収を一元的に管理し、優秀なオートメーション機能で業務の効率化を実現します。

本記事では、そんなCommerce Hubの料金体系から主要な機能、また活用方法について詳しく解説します。

HubSpot(ハブスポット)とは

HubSpotは営業・マーケティング・カスタマーサクセスを効率化するためのCRM(顧客関係管理)システム兼MAツール(マーケティングオートメーションツール)です。

よく比較されるSalesforceやMarketoなどの違いとしては、HubSpotというツールでCRMとMAツールの両方の機能を有しているという点です。SalesforceにはMarketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)というMAツールが別途あります。

HubSpotで顧客とのやり取りを一元的に管理することで、リードの育成から受注までのプロセスを非常に容易に管理することができます。

また、企業の目的や個性、成長度合いに応じて柔軟にカスタマイズすることが可能なので、例えば、受注時と失注時のプロセス、メールの開封率等を詳細に比較分析し、マーケティングや営業活動を改善することなどができます。

【無料お役立ち資料】
これ1本で丸わかり!MAツールの選び方(50P超)


これ1本で丸わかり!MAツールの選び方(50P超)

価格体系と無料で使える機能

HubSpotの購入方法は大きく分けて「まとめて機能を買う方法」と「機能ごとに買う方法」があります。

まとめて購入する場合

“Customer Platform”と呼ばれ、マーケティングや営業に必要な基本的な機能が全て内包された製品です。

料金形態は以下の通りですが、価格によって社内で使用できる人数や一部サービスの上限数が増えます。

“無料”プランはもちろん、”Starter Customer Platform”プランでもマーケティングや営業活動に必要な基本的な機能が備わっています。各種無料プランがあります。無料プランでは機能に制限がかかるものの、一部機能を無料で使用することができるため、気になる方は無料プランで使用感を確かめることをお勧めします。

プランに関して詳しくはHubSpot公式HPをご覧ください。

機能毎に購入する場合

HubSpotは以下の通り、6つ機能を軸にサービスを展開しています。

  • マーケティング
  • セールス
  • サービス
  • コンテンツ
  • オペレーション
  • コマース


今回はコマースの領域である「Commerce Hub(コマースハブ)」の料金形態とプラン毎に使える機能についてをご紹介します。プランの詳細は公式サイトからご確認ください。

Commerce Hub機能の使用に関して、毎月のSaaSサブスクリプション手数料は発生しません。HubSpot製品・サービスカタログでさらに詳しく説明されているように、Commerce Hubを通じて処理された取引についてのみ手数料の請求が行われます。

また、各種無料トライアルがあり、無料プランでも以下の充分な機能を使うことができますので、ぜひお試しください。

  • コンタクト管理
    • チケット管理
  • アナリティクス
    • サービス分析によるサービスレポートの作成
    • レポート作成ダッシュボード
  • Eメール
    • 共有の受信トレイ
    • チームの共有アドレス
  • ウェブチャットの設置

HubSpotの無料のミーティング調整機能については「【無料で使える】HubSpotの日程調整ツールの機能を徹底解説」で詳細を解説しているので是非ご覧ください。

HubSpotのCommerce Hub(コマースハブ)とは?他のHubとの違いを解説

前述した通り、HubSpotは6つの製品で構成されています。すべてに”Hub”と記載されているため、違いがわかりにくい部分はありますが、それぞれの製品の機能は以下の通りです。

  • Marketing Hub(マーケティングハブ)
    • 見込み顧客・リード管理を目的としたMAツール(マーケティングオートメーション)
    • マーケティングキャンペーン管理、比較
  • Sales Hub(セールスハブ)
    • 商談管理を中心としたCRM・SFAツール
    • パイプライン管理やインサイドセールスのコール管理
    • 営業活動(商談数、受注数、受注金額)の進捗・フォーキャスト管理
  • Service Hub(サービスハブ)
    • カスタマーサポート対応の一元管理
    • チケットによる応対管理、オムニチャネル対応のヘルプデスク
    • FAQサイト(ナレッジベース)による独自のヘルプ記事ライブラリー構築
  • Operations Hub(オペレーションハブ)
    • さまざまなアプリ間の同期、顧客データのクレンジングや整理
    • JavaScriptまたはPythonベースのアクションをもとに自動ワークフローを構築可能
  • Content hub(コンテンツハブ)
    • CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)ソフトウェア
    • 柔軟性の高いテーマやドラッグ&ドロップ操作のページエディターでサイトを簡単に構築可能
    • 流入数やコンバージョン数などのウェブサイトのパフォーマンスを分析
  • Commerce Hub(コマースハブ)
    • 見積もり、決済、レポート、顧客データの全てを一元管理

このツールは、見積書や請求書、納品書の作成から送付、収益の回収までの一連の業務を自動化し、HubSpotのCRMと連携してデータを統合・管理します。これにより、手作業によるエラーや煩雑な作業を削減し、業務の効率化を実現します。

以下ではCommerce Hub以外のHubをわかりやすく紹介をしています。

MarketingHubについては「【HubSpot】Marketing Hub(マーケティングハブ)とは?他のHubとの違いを解説」でプランやできることを解説しています。

SalesHubについては「【HubSpot】Sales Hub(セールスハブ)とは?他のHubとの違いを解説」でプランやできることを解説しています。

Service Hubについては「【HubSpot】Service Hub(サービスハブ)とは?他のHubとの違いを解説」でプランやできることを解説しています。

Content Hubについては「【HubSpot】Content Hub(コンテンツハブ)とは?他のHubとの違いを解説」でプランやできること、WordPressとの違いを解説しています。

Operations Hubについては「【HubSpot】Operations Hub(オペレーションハブ)とは?他のHubとの違いを解説」でプランやできること、WordPressとの違いを解説しています。

Commerce Hub(コマースハブ)で使える機能について

今回は「Commerce Hub(コマースハブ)」について、以下の三つの切り口から、使用可能な機能や用途について解説します!

  1. 見積から売上回収までのプロセスを効率化
  2. ワークフローオートメーションによる商取引プロセスの自動化
  3. サブスクリプションの収益拡大

順番に詳しく解説します。

見積から売上回収までのプロセスを効率化

Commerce Hubは、見積書や請求書の作成、送付、追跡といった商取引プロセスをスムーズにするための強力な機能を備えています。従来、手作業で行われていた見積や請求業務は、多くの企業で時間と労力がかかり、ミスや遅延が発生しやすい業務となっています。しかし、Commerce Hubを導入することで、時間の節約とヒューマンエラーの削減が期待できます。

特に、Commerce HubはCRMとシームレスに連携しており、見積書の作成から顧客への送付、請求書のステータスの追跡、さらには支払い完了までのプロセスを簡素化できます。CRM内の顧客情報や過去の取引データを元に、見積書や請求書を自動生成し、クリック一つで顧客に送信可能です。また、支払いの進捗状況をリアルタイムで確認できるため、未払いのフォローアップも自動化されます。

これにより、営業部門や経理部門のスタッフは手間のかかる事務作業から解放され、残業が削減されるだけでなく、書類の物理的な保管スペースも不要となるため、より多くの時間やリソースを売上向上のための活動に充てることが可能になります。

Commerce Hub(コマースハブ)具体的な機能紹介

・見積書ツール:見積書の作成や送信、電子署名の収集や代金の回収までがすべてCommerce Hubで完結します。作成は非常に簡単で、洗練されたテンプレートを編集するだけで、プロ仕様の見積書を作成することができます。また、CRM上に保存されたコンタクトや製品情報など、取引レコードに関連付けられた全ての情報を自動で入力することも可能です。

・請求書の作成ツール:CRM内で会社のロゴや配色を使ったビジネス仕様の請求書を手早く作成し、送付した請求書から指定の決済プロセスを通じて請求をすることが可能です。簡単に洗練された請求書を作ることができ、その後の追跡やフォローアップもCRMに紐付き保存されるため、決済プロセスの簡素化と効率化が図れます。


・決済リンク:コーディングもウェブサイトも不要の支払いリンクを使用して、支払いの受け取りを簡素化することが可能です。リンクはEメール、ウェブサイト、フォーム、ミーティングなどに支払いリンクを埋め込み共有することができます。また、支払いリンクがHubSpotのCRMに統合されているため、複数のタブやツール、システムを切り替える必要がないことも大きな利点です。

ワークフローオートメーションによる商取引プロセスの自動化

Commerce Hubでは、商取引プロセスの自動化を実現するためのワークフローオートメーション機能が提供されています。これにより、日常的な手動での作業が削減され、業務のスピードと精度が大幅に向上します。

顧客が特定のアクションを起こした場合や、一定の条件が満たされた際に、自動的に適切な処理が行われるように設定できます。これには、見積もりの承認後に自動で請求書を発行したり、未払いや支払い期限に合わせて催促メールを自動的に送信したりなど、CRMに保存されている顧客情報や顧客のリアルタイムの動向に基づいて自動的にアクションを取ることが可能になります。これにより、商取引のプロセス全体がスムーズに進行し、回収漏れのリスクが大幅に低減されます。

また、Commerce Hubでは、サブスクリプションの支払い管理も自動化することが可能になります。支払いリンクや見積もりで設定した請求頻度に応じて、購入者に自動的に請求を行います。そのため、サブスクリプションの支払いを集めるために別途支払いリンクや見積もりを逐一作成する必要はありません。

Commerce Hub(コマースハブ)具体的な機能紹介

・ワークフローの作成:トリガーや条件、アクションを事前に設定することで、商取引プロセス全体を自動化できます。例えば、顧客が特定のアクションを取った場合に、自動的に請求書を発行したり、フォローアップのタスクを作成することができます。これにより、業務プロセスの一貫性が保たれ、作業時間が短縮されるとともに、ヒューマンエラーのリスクが低減します。

・サブスクリプションの管理:サブスクリプションのライフサイクル全体を自動化することができます。サブスクリプションの設定、更新、請求サイクルの管理を自動で行い、顧客への通知や支払いの追跡もスムーズに処理します。

・カスタム請求の自動処理:請求書の送信を自動化することが可能です。他のツールを同時併用せずとも、HubSpot内で見積書や取引レコードから請求書を直接作成して、請求や支払いを自動的に管理できます。これにより、顧客への支払い依頼にかかる時間の短縮につながります。

サブスクリプションの収益拡大

HubSpotのCommerce Hubは、サブスクリプションビジネスの収益拡大をサポートするために強力なツールを備えています。特に、ダッシュボード機能を活用することで、決済総収益や支払いタイプ別の収益変動をリアルタイムで把握でき、ビジネスのトレンドを迅速に確認することが可能です。これにより、収益が少ない製品や市場のトレンドを把握し、戦略的な改善が図れます。

また、サブスクリプション分析レポートを用いることで、解約数や年間収益(ARR)、月次収益(MRR)の変動を簡単に確認できます。その結果、収益予測が精度を増し、ビジネスの健康状態を視覚的に把握することができるため、データに基づいた意思決定が可能になります。

Commerce Hub(コマースハブ)具体的な機能紹介

・ダッシュボード:今年度の決済総収益や当月の決済総額、支払いタイプ別収益の経時変化、収益が少ない製品の総収益などをリアルタイムで確認できるダッシュボードです。視覚的にわかりやすく設計されており、多種多様なデータを一目で把握できるため、ビジネスのトレンドや収益の動向を迅速に把握することが可能です。

・サブスクリプション分析レポート:解約したサブスクリプションのARR(年間収益)やMRR(月次収益)、新規契約ARRとMRR、サブスクリプション解約数を簡単に確認することができ、収益の予測やトレンドの把握などが容易になります。必要なデータを集約し、ビジュアル化することで、チーム全体で共有しやすくなり、データに基づいた意思決定を推進することが可能です。

・ワークフローの作成:上記した通り、トリガーや条件、アクションを事前に設定し、自動的にアクションを実行できるワークフローを作成することが可能です。サブスクリプションの例を挙げると、定期購入の支払い予定に関する通知を自動化することで、CRM上に保存された顧客の支払い予定情報と照らし合わせ、適切なタイミングで通知を送信することなどが可能です。

まとめ

本記事では、HubSpotのCommerce Hub(コマースハブ)で使用できる機能からその用途までを解説しました。

Commerce Hub(コマースハブ)を活用することで、販売プロセルを一元的に管理し、オートメーション機能で業務の効率化を実現することができます。

リードファクトリーでは、HubSpotの導入支援をおこなっています。無料相談もおこなっておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

【無料お役立ち資料】
これ1本で丸わかり!MAツールの選び方(50P超)


これ1本で丸わかり!MAツールの選び方(50P超)

一橋大学商学部卒。ENEOS株式会社に新卒で入社。日本最大級の屋内型テーマパークの立ち上げ、ベンチャー企業でマーケティング責任者としてBtoBマーケティング、インサイドセールス等の立ち上げ。その後、プライム市場上場のグローバル医療メーカーにて、海外BtoBマーケティングに従事。その後、BtoBマーケティング・営業DX支援の株式会社LEAD FACTORY.を創業。