「そもそもMAツールってなにができるの?」
「MAツールを導入したいけど、どのように選べばよいかわからない」
このような疑問を抱えている方も多いかと思います。
現代のBtoBマーケティングでは、MAツールの活用が企業の成長に欠かせない要素となっています。特にBtoBビジネスにおいて、MAツールはリードナーチャリング、顧客関係管理など、効率的なマーケティング活動をするうえで特に重要です。
また、CRMツールを既に導入している企業は、CRMとMAツールの親和性についておさえることも大事なポイントになります。
本記事では、下記の事項について解説します。
- MAツールとは
- MAツールが重要な理由
- MAツールの選びかた
- BtoBマーケティングに有効なMAツール6選
こちらのYouTube動画でも、MAツールについて詳しく解説しております。
よろしければ、こちらもご参照ください。
MAツールとは|マーケティングを自動化・効率化するツール
MAツールとは、マーケティングオートメーションツールの略称で、企業のマーケティング活動を支援するツールです。
さまざまなツールがリリースされていますが、主に下記の機能が搭載されています。
- リード管理:見込み顧客の情報を一元管理
- メール配信:顧客属性や行動に合わせた自動配信
- リードスコアリング:購買意欲の高い顧客を特定
- Webサイト分析:顧客の行動を分析
- CRM連携:顧客情報とマーケティングデータを連携
このような機能により、顧客データの分析、リード獲得、顧客エンゲージメントの向上などを効率的におこなうことができます。
その結果、作業負担が軽減され、戦略的なマーケティング活動のリソース確保につながります。
BtoBマーケティングにMAツールの導入が必要な理由
近年、BtoBビジネスにおける競争激化に伴い、顧客獲得や売上拡大のためには、ニーズに合わせた効果的なマーケティング活動が不可欠になっています。
BtoCビジネスに比べてBtoBビジネスは見込み顧客の数が少なく、成約単価が大きくなることが特徴です。
見込顧客数 | 購買単価 | 購買までの期間 | 購買に関わる人数 | |
BtoBビジネス | 少ない | 高い | 長い | 複数名 |
BtoCビジネス | 多い | 低い | 短い | 一人 |
しかし、従来のマーケティング手法では、作業量が膨大になり、限られたリソースの中で効率的に成果を上げることが難しい状況です。
そこで注目されているのが、MAツールの導入です。導入が必要な理由として、下記の3点があげられます。
- マーケティングが重要視されてきたため
- 購買プロセスが多岐にわたるため
- 購入に至るまでの期間が長期化しているため
この3点について、詳しく解説します。
マーケティングが重要視されてきたため
従来、BtoBマーケティングは、営業部門が担当する企業が主流でした。しかし、近年デジタル化が急激に進んだことで、見込み顧客との長期的な関係構築やブランドイメージの向上など、マーケティングの役割が重要視されています。
その結果、作業リソースを確保するためにマーケティング部門を設け、分業化する企業が増加しました。
マーケティング部門は主に下記の業務をおこないます。
- リードの獲得
- 顧客情報の収集と分析
- ターゲティング精査
- パーソナライズされた集客キャンペーンの実施
MAツールでは、これらの業務を自動化し、一元管理することで、マーケティング活動の効率化と効果の最大化ができます。
購買プロセスが多岐に渡るため
BtoBマーケティングにおける購買プロセスは、複数の担当者が関わるため、多段階にわたることが特徴です。そのため、顧客のニーズや状況の変化に応じて適切な情報を提供し、関係を築き上げていくことが重要です。
従来のマーケティング手法では、顧客のニーズや購買状況を把握することが難しく、効果的なアプローチが困難でした。
しかし、MAツールを使用することで、顧客の行動履歴や属性情報などを分析することで、購買意欲の高いリードを特定できます。また、自動配信メールやWebサイト分析などを通じて、顧客に合わせたアプローチの展開が可能です。
このように、MAツールによって、顧客の状況に応じてカスタマイズされた適切な情報を提供し、購買プロセスを効果的にサポートできるようになりました。
購入に至るまでの期間が長期化しているため
BtoBビジネスの取引では、取引額が大きいことや購買プロセスが多段階であることから成約にいたるまでに数ヶ月から数年という長い期間を要することが少なくありません。
長期間にわたり、潜在顧客の関心を維持し、関係を深めていくためには、継続的かつ一貫したマーケティング活動が求められます。従来のマーケティング手法では、長期的な視点で顧客を育成することが難しく、成約率の向上させるという点に課題がありました。
MAツールを活用することで、リードの状況に合わせたタイミングで情報提供やフォローアップをおこなうことができ、長い購買プロセスを通じて顧客との関係を維持・強化することが可能です。
また、MAツールによるデータ分析機能を利用することで、マーケティング活動の成果を定期的に評価し、必要に応じて戦略を修正することができます。
これ1本で丸わかり!MAツールの選び方(50P超)
BtoB向けのMAツールの選びかた
数多くのMAツールが存在する中で、自社に最適なツールを選ぶためにおさえるポイントは下記になります。
- 自社に合った機能が搭載されているか
- 現場が使いやすいツールを選ぶ
- 導入費用に見合った効果が期待できるか
- 既存のツールと連携が可能か
- サポート体制が充実しているか
この5点について、詳しく解説します。
自社に合った機能が搭載されているか
BtoBビジネスに特化したMAツールは、下記のような機能があります。
- リード管理:見込み顧客の情報を一元管理
- メール配信:顧客属性や行動に合わせた自動配信
- リードスコアリング:購買意欲の高い顧客を特定
- Webサイト分析:顧客の行動を分析
- CRM連携:顧客情報とマーケティングデータを連携
- 営業支援機能:営業活動に必要な情報を提供
- 顧客管理機能:詳細な顧客情報を管理
- 複数チャネル連携:Webサイト、メール、電話など複数のチャネルと連携
機能は多岐にわたるため、自社のマーケティング戦略や目標を達成するために必要な機能が搭載されているかを見極めることが重要です。
MAツールによって、各指標を細分化させることができるツールもあるため、自社が重要視する指標を分析できるかどうかもポイントになります。
現場が使いやすいツールを選ぶ
MAツールの選定において、操作性の良さも重要な要素です。どれだけ高性能なツールであっても、使いこなせなければツールを導入した意味がありません。
特に、MAツール初心者やデジタルマーケティングの知識が乏しいスタッフが操作する場合、直感的で分かりやすいUIのMAツールであることが重要です。
MAツール導入前に現場で実際に使用する担当者が、操作方法や画面レイアウトなどを理解しやすいかどうか判断をする必要があります。無料トライアルを活用して、現場の意見を聞いてから導入するか決めましょう。
導入費用に見合った効果が期待できるか
MAツールを導入する際は、ツールにより数十万円から数百万円の導入費用がかかります。高機能なツールやオプションをつけるほど高価格になる傾向があります。また、導入費用だけでなく、運用費用や保守費用なども考慮が必要です。
そのため、自社にとって最適な機能を持つツールを選択し、そのうえで導入費用と期待される効果を比較検討することが大切です。不必要な機能を省いたシンプルなMAツールであれば、費用を抑えつつも十分な機能で運用できます。
既存のツールと連携が可能か
多くの企業では、既に営業支援システムやCRMなどのツールを導入しています。MAツールを新たに導入する際は、同じメーカーや親和性の高いMAツールを導入し、既存のシステムとの連携がスムーズにおこなえるかを確認することが重要です。
効率的なデータのやり取りができれば、顧客情報の一元管理やマーケティング活動の効率化をさらに進めることができます。
サポート体制が充実しているか
MAツールの導入後も、操作方法に関する疑問や技術的なトラブルが発生することがよくあります。そのため、導入後のサポート体制が充実しているかどうかも重要な選定基準の1つです。
特に、MAツールの運用経験が少ない企業では、日本語によるサポートや運用コンサルティングなど手厚いサポートが受けられると安心して導入できます。
サポートが無料の場合と有料の場合があるため、サービス内容とその費用も事前に確認しておきましょう。
BtoBマーケティングに有効なMAツール6選
海外産・国産それぞれ3つのおすすめMAツールをご紹介します。
参考:https://oshiete-url.jp/report/docodoco/2023_12/
ツール名 | 初期費用 | 無料トライアル | 月額費用(税別) | 外部ツール連携機能 | サポート | 備考 | |
海外産 | HubSpot | 0円 | 〇 | Starter:2,400円〜/Professional:96,000円~/Enterprise:432,000円〜 | ◎(Salesforce、Kintone、他多数) | ○ | 大多数の外部ツールと連携可能 |
Pardot | 0円 | 〇 | Marketing Cloud Engagemant:150,000円~/Personalization:1,080,000円 | ◎(Salesforce、他多数) | ○ | MAツールとCRMツールを同時に導入可能 | |
Marketo | 問い合わせ | – | 問い合わせ | 問い合わせ | △ | パッケージは4種類あるが、全て要見積り対応 | |
国産 | BowNow | 100,000円 | 〇(フリープラン) | エントリープラン:月15,000円/カスタマイズプラン:問い合わせ | ○(Salesforce、Kintone) | ◎ | PV数・顧客データ数により別途従量課金あり |
SATORI | 300,000円 | 〇 | 148,000円(年契約) | ○(Salesforce、Kintone、SanSan) | ◎ | 年契約のみ、PV数・顧客データ数により別途従量課金あり | |
ListFinder | 100,000円 ※フリープランの場合0円 | 〇(フリープラン) | フリー:0円/ライト:39,800円/スタンダード:59,800円/プレミアム:79,800円 | ◎(Salesforce、他多数) | ◎ | PV数・顧客データ数により別途従量課金あり |
海外産MAツール
おすすめの海外産MAツールは下記の3つです。
- HubSpot
- Pardot(Marketing Cloud Account Engagement)
- Marketo
いずれも、代表的なMAツールであるため、耳にしたことがある方は多いかもしれません。海外産のMAツールは高い機能性が特徴です。それぞれの特徴を説明します。
HubSpot
HubSpotは使いやすさと汎用性の高い機能があることで知られています。
コンテンツ管理からソーシャルメディア、SEO、リード管理まで、一元的にマーケティング活動をおこなえるのが特徴です。
特に、無料プランから始められるCRMが組み込まれているため、小規模なビジネスからでも導入しやすい点が魅力です。
Pardot(Marketing Cloud Account Engagement)
Pardotは2013年にSalesforceに買収され、Salesforce社のMAツールとして提供されています。
高度なBtoBマーケティングに特化したツールで、リードの獲得から育成、スコアリング、そして営業チームへの引き渡しまで、マーケティングとセールスのプロセスをシームレスにつなげることが可能です。
規模が大きい企業に取り入れられていることが多く、Salesforce CRMとの高い互換性も大きなメリットです。
Marketo
Adobe社が運営しているMarketoは全てのプランが要見積りということもあり、カスタマイズ性と拡張性が高く評価されています。
複雑なBtoBマーケティング戦略を実行する企業に適しており、詳細なリード管理、メールマーケティング、イベント管理機能などもカスタマイズできます。
また、高度なレポーティング機能により、マーケティング活動の効果の正確な測定が可能です。
国産MAツール
おすすめの国産のMAツールは下記の3つです。
- BowNow
- SATORI
- ListFinder
国産のMAツールは海外産のMAツールに比べ、扱いやすい傾向にあります。それぞれの特徴を解説します。
BowNow
BowNowは国内シェアNo.1の中小企業向けに特化した国産MAツールです。リード獲得から育成、分析までの一連のマーケティング活動をサポートし、低コストで導入ができます。
使いやすさと導入後3か月間の無料サポートなど、サポートの手厚さが評価されており、MAツール初心者にもおすすめです。
SATORI
SATORIはWebサイトの訪問者行動を詳細に追跡し、質の高いリードを見極める機能を持つMAツールです。AIを用いたスコアリング機能により、効率的なリード育成が可能です。
また、日本企業特有の購買プロセスに合わせたカスタマイズが可能な点も魅力の一つです。
ListFinder
ListFinderは特にメールマーケティングに強みを持つ国産MAツールです。リード獲得からセグメンテーション、パーソナライズされたメール配信までをサポートし、高い開封率とクリック率が見込めます。
また、外部ツール連携が豊富な点も魅力で、利用者の行動データに基づく分析機能により、マーケティング戦略の最適化が可能です。
まとめ
BtoBマーケティングにおいて、MAツール導入時の選定は極めて重要です。
海外産MAツールは高度な機能性とグローバルスタンダードな操作性をもち、国産MAツールは日本市場特有のニーズに合わせた機能と使いやすいUIという特徴があります。
自社のビジネス規模、業界、マーケティング戦略に最適なツールを選定し、BtoBマーケティングの効果と効率の向上を目指しましょう。
リードファクトリーでは、それぞれの企業様に合わせた施策の策定や運用など、BtoBマーケティングに取り組むうえでの支援を幅広くおこなっています。ぜひお気軽にご相談ください。
一橋大学商学部卒。ENEOS株式会社に新卒で入社。日本最大級の屋内型テーマパークの立ち上げ、ベンチャー企業でマーケティング責任者としてBtoBマーケティング、インサイドセールス等の立ち上げ。その後、プライム市場上場のグローバル医療メーカーにて、海外BtoBマーケティングに従事。その後、BtoBマーケティング・営業DX支援の株式会社LEAD FACTORY.を創業。