「LTVってなに?」
「どうやって計算するの?」
「LTVを最大化させる方法は?」
近年、インターネットの普及や、競合他社との競争激化により、新規顧客の獲得が困難な状況です。そこで既存顧客の関係性を確認する指標としてLTVが存在します。とはいえ「LTVについて知らない…」という方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、以下の内容を解説します。
- LTVの概要
- LTVが重要視さてれている理由
- 最大化させる施策とツール紹介
この記事を読むと、LTVについてはもちろん、LTVの最大化する方法を理解できます。
「LTVを向上させたい」という方はぜひ参考にしてみてください!
またリードファクトリーでは、LTVを向上させるマーケティングサポートを実施しております。短期的な施策はもちろん、中長期的な施策を企業の状況と合わせて提案します。「自社商材のLTVを伸ばしたい」という方はぜひお気軽にご相談ください!
LTVとは、取引開始から終了までに利益をもたらした数値
LTVは「Life Time Value」の略で「顧客生涯価値」と訳され、企業との取引期間を通じて、自社にどれだけの利益をもたらしたかを表す数値のことです。
具体的には、取引が1回で終わるよりも、2回目以降も取引が続いているときのほうがLTVは高くなります。
LTVを明らかにすると、以下のメリットがあります。
- 自社商材の利益体質の把握:利益を中長期的維持できる体制が理解できる
- 優良顧客の傾向分析:リピートしてくれる顧客の特徴を把握できる
- コストの算出:LTVの計算からコストを計算できる
LTVの数値は、今後の企業活動やマーケティング活動に大きく影響する重要な指標といえるでしょう。
LTVが重要視されている4つの理由
近年の市場状況から、LTVの数値がより重要視されていますが、なぜ注目されているかを解説します。企業活動やマーケティング活動に大きく影響する理由は以下の4つです。
- 新規顧客の獲得が難しいから
- 顧客ロイヤリティーの向上が必要だから
- サブスクリプションの需要が高まったから
- 3rd Party Cookieが規制されたから
それぞれ順番に解説します。
1. 新規顧客の獲得が難しいから
以下の2つの理由から、企業は新規顧客の獲得が難しくなっています。
- 日本の人口は減少しているから
- サービスが飽和状態であるから
総務省の「人口動態調査」によると、2024年1月1日時点で日本人は1億2156万1801人で、前年の2023年から86万1237人減ったことがわかります。
人口減少によって、多くの市場では競争が激化し、新規顧客を獲得しにくい状況です。
またサービスが飽和状態になっていることから、商品やサービスの質や価格で競合との差別化が図りにくくなっています。
こうした影響から、今いる既存顧客に対してアプローチしていくために、LTVが重要視されています。
参照:総務省:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数のポイント(令和6年1月1日現在)
2. 顧客ロイヤリティーの向上が必要だから
競合他社との差別化を図るために、自社商材に対しての好感度を示す顧客ロイヤリティーの向上が重要視されています。
先ほどお伝えしたとおり、市場の飽和が原因で、商品の品質や金額はほとんど変わっていません。
そこで顧客は自社商材に高い好感度を持ってもらい、顧客ロイヤリティーが高い「ロイヤルカスタマー」として継続的に商品を購入してもらう動きが高まっています。
またロイヤルカスタマーは、SNSや口コミで自社商材に高い評価をつけて発信してくれるので、集客やブランディングにもなります。
「顧客ロイヤリティーが高まる=LTVが高い」といった特徴から、常に高い状態を保っておくことが理想的です。
3. サブスクリプションの需要が高まったから
近年、買い切りタイプやレンタルタイプから、サブスクリプションの時代へ移り変わり、需要も定額制に変化してきました。
サブスクリプションは継続的な購入によって収益が伸びたり、売上の安定を図ったりできるので、企業にとって大きなメリットがあるといえるでしょう。
また買い切りタイプからサブスクリプション形式に変更するときは、そのビジネスモデルで収益をこれまでよりも伸ばせるのかを判断する数値にもなっています。
顧客ニーズの転換や運営方針の変更にもLTVの数値は利用されます。
4. 3rd Party Cookieが規制されたから
3rd Party Cookieとは、第三者により発行し活用されるCookieデータのことです。Webの閲覧履歴から、個人に最適化された広告を表示する技術ですが、個人のプライバシーに関与する点から規制している動きがあります。
つまり、別のサイトからの集客が難しくなるので、閲覧しているサイトのみで機能する1st Party Cookieや既存顧客データを活用して集めなければなりません。
3rd Party Cookieからの新規顧客の流入が難しくなり、既存顧客から得る収益向上が必須なので、必然的にLTVの数値も重要視されます。
【具体例あり】LTVの計算方法
LTVの計算方法は多く存在していますが、基本的な計算式は以下のとおりです。
- LTV = 平均購入単価 × 粗利率 × 1年間の購入頻度 × 継続期間(年)
具体的には、50%の粗利率で単価5,000円の自社商材を毎月1つ購入し、5年間続けてくれた顧客がいたとすると、以下の計算式と答えとなります。
- 5,000円 × 50% × 12回 × 5年=150,000円
ここから顧客獲得・維持コストを引くと、経費を差し引いたLTVが算出できます。
たとえば顧客獲得コストに50,000円で、維持コストに10,000円かかるとしたら以下のとおりです。
- 150,000円 ー(50,000円 + 10,000円)=90,000円
LTVを算出したい場合はぜひ参考にしてみてください!
LTVの最大化させる6つのマーケティング施策
実際にLTVを計算して現状の数値は理解できたが「どうやって伸ばせばいいかわからない…」という方も多いでしょう。ここでは、LTVを最大化するマーケティング施策について紹介します。今回紹介する施策は以下の6つです。
- 顧客単価を上げる
- 利益を向上させる
- 購入頻度を上げる
- コストを下げる
- 解約率を下げる
- パーソナライズ化を進める
今すぐに使えるように詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 顧客単価を上げる
単純ですが、顧客単価を上げると、LTVは向上します。
最も手っ取り早く上げる方法は自社商材の金額を上げることですが、値上げは顧客の離脱リスクを高めるおそれがあります。
リスクを抑えつつ、顧客単価を上げる方法は以下のとおりです。
- アップセル:現状利用している自社商材のグレードアップした商品を購入してもらう、もしくは同じ商材を追加で購入してもらうこと
- クロスセル:現状利用している自社商材と関連した商品を購入してもらうこと
たとえば、ネットショッピングで使われているレコメンド機能は、クロスセルにあたる施策です。
ただ単に金額を上げるのではなく、顧客にとってメリットのある方法で顧客単価を上げていきましょう。
2. 粗利を向上させる
LTVを向上させる方法の1つに粗利を向上させることが挙げられます。
そもそも粗利率の計算方法は以下のとおりです。
- 粗利率=(売上ー原価orコスト)÷ 売上
粗利率の向上は、売上を上げつつ、費用(原価・コスト)を下げることが重要です。
例えば、5,000円の商品を販売したとき、商品作成にかかる材料や人件費(コスト)が2,000円と考えると以下の計算式となります。
- (5,000ー2,000)÷5,000 × 100 =60%
しかし、原価・コストを下げても、商品やサービスの品質も低下することもあります。これにより顧客は不満を持ち、離脱や購入頻度を低下させてしまいます。
LTVを最大化して利益を増やすことを目的としながらも、コストを下げることに十分に気をつけましょう。
3. 購入頻度を上げる
購入頻度を上げると、自社にもたらす利益も伸ばせるので、LTVは向上します。
具体的にはメルマガやSNSツールを利用して、以下の内容を発信します。
- お得なクーポン情報
- 購入を促すリマインドメッセージ
- 商品のお役立ち情報
クーポン情報や購入の催促メッセージでは「安くなったから、今のうちに購入しておこう」や「ちょうどなくなったから購入しよう」といった購入者の現状に基づいた発信を心がけましょう。
一方で、商品のお役立ち情報は、使用方法を拡大できるように提案しましょう。顧客にとって異なる方法で利用できると、さらなる可能性が広がり、追加で購入するきっかけとなります。
ただ単にアプローチするのではなく、タイミングや状況を見極めて発信するのが重要だといえるでしょう。
4. コストを下げる
既存顧客の維持コストは新規顧客の獲得コストよりも、1/5も異なるといわれています。そのため「新規にかかるコストを抑えていればよい」と考えがちですが、維持コストの中でも、抑えられるべき部分は存在します。
具体的にはツールを活用して、マーケティングや営業活動にかかる工数を減少させ、顧客維持に使う時間的なコストを抑えます。
既存顧客の維持コストが下がっても効果が見込めないと想定できれば、自社商材の原価率を低くします。
ここで注意してほしいところは、過度なコスト削減により、品質が落ちる部分です。
既存顧客の中でも「高品質な商材なので、購入したのに…」という方も一定数いるでしょう。こうした顧客に対するサービスの質の低下により、既存顧客は自社を離れて競合他社に乗り換えてしまう可能性があります。
どの部分のコストを下げるべきか分析し、顧客維持に注力したマーケティング施策を練っていきましょう。
「時間的コストを下げるツールを知りたい」という方は本記事「LTVの最大化を促す2つのツール」で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!
5. 解約率を下げる
解約数が多いとLTVは低くなるので、なるべく解約率を下げていきましょう。低下させる具体的な施策は、以下のとおりです。
- 顧客ニーズに合わせた商品を提供する
- サポート体制が強化する
- ポイントが貯められるプログラムを実施する
ニーズが続く限り商品は購入されますが、移り変わりが激しいので、徐々に購入頻度は低下し、解約に至るケースがあります。
常に顧客が求めるものを追っていき、新商品を開発・販売したり、購入してもらった製品自体をアップデートしたりします。
またトラブルのお問い合わせに対応するカスタマーサクセス部門を導入するのもおすすめです。丁寧に問題に対処できると、顧客の満足度も向上するでしょう。
さらに導入から運用までフォローし、十分な効果を出せるようにする体制も作れます。
ポイントプログラムでは、購入するごとにポイントが貯まり、一定数貯めるとクーポン券が使えたり、オリジナルグッズをプレゼントしたりできます。
副次的な商品やサービスで解約率を下げるのも1つの施策といえるでしょう。
6. パーソナライズ化を進める
本記事「3. 購入頻度を上げる」でお伝えした内容よりも、さらにパーソナライズ化された方法で提案します。
顧客それぞれの状況や特性に合わせて、個別にメッセージを送ります。
たとえば「〇〇という商品を購入し、△△のように利用してくれるあなたに関連した商品を特別価格でご紹介」といった内容で発信します。これにより顧客は「特別扱いされている」といった感覚になるので、購入意欲が向上するでしょう。
顧客の状況を深く管理し「次にこのような状況になり、困るだろう」と仮説を立てて、先回りできると効果的です。
ただし、既存顧客に対応している数が多いと、丁寧な対応が難しくなります。あらかじめ期限と参加方法を決めるようにしましょう。
LTVの最大化を促す2つのツール
施策以外にも、LTVの最大化を促す方法があり、以下のような2つのツールを用いることです。
- CRMツール
- MAツール
それぞれ順番に詳しく解説します。
1. CRMツール
そもそCRMとは、既存顧客の関係を構築や維持するために最適なアプローチを実施するマーケティング手法です。「Customer Relationship Management」の略で、日本語では「顧客関係管理」と訳されます。
CRMツールはこうした既存顧客との良好な関係性を保つために使われるツールです。
具体的な機能としては、顧客情報管理やデータ分析、メール配信や問い合わせ管理などを搭載しています。
CRMツールを導入するメリットは以下の3つです。
- 顧客満足度を向上させる
- 顧客情報を一元管理できる
- 業務効率化を促進させる
CRMツールの最大の目的は、あらゆる機能を使って顧客の満足度を上げることです。既存顧客の基本情報から購入履歴までを分析して、顧客ニーズに合ったアプローチを最適なタイミングで実施できます。
顧客情報の一元管理もCRMツールで代表的なメリットです。営業担当者が持っている情報をすべてCRMツールに登録できます。多くのデータがあることで顧客分析や今後の戦略を考えて、改善を図るのにも役立ちます。
さらに業務効率化を促進させる効果もあり、例えばデータ分析では、条件に合う情報を取り出すと検索窓から抽出し、数値化できます。グラフ化も瞬時にできるので、資料づくりの短縮にも貢献できます。
2. MAツール
MAとは、マーケティング活動を仕組み化することで「Marketing Automation」の略語です。
MAツールは仕組み化をサポートするツールで、リード管理や、メール配信、リードスコアリングなどの機能があり、メールの開封率や商談の成約率などを数値化して確認できます。
MAツールのメリットは以下のとおりです。
- マーケティング施策の効果を把握できる
- 人件費の削減が見込める
一般的にはマーケティングの効果は可視化できないので、誤認してしまうおそれがあります。
しかしリードスコアリング機能を使うと、顧客ごとに施策効果を数値化できます。これにより適切なタイミングでアップセルやクロスセルなどのアプローチが可能です。
また手動でメール配信や分析は、時間がかかるので、人を増やしてカバーしなければなりません。しかしMAツールに任せることでメール配信、分析を自動化できるため、人件費、業務負担を軽減します。
MAツールについては下記資料「【無料お役立ち資料】これ1本で丸わかり!MAツールの選び方」で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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LTVを理解して、最大化を図ろう
LTVの向上は現代社会の市場において必須といえます。とはいえ、ただ闇雲にLTVを上げようとしても、なかなか上がりません。具体的な工程としては以下のとおりです。
- LTVを理解する
- 現在のLTVを算出する
- 自社の状況を加味して、LTVを上げる施策を考えて実行する
この記事は、上記の工程をすべて解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!
またリードファクトリーではBtoBマーケティング支援事業を運営しています。さまざまなマーケティングに携わってきたプロが担当しますので、「LTVを上げる具体的な方法を知りたい」という方はお気軽にご相談ください!